2022/11/06
エスパルスが得点王を擁するクラブで史上初のJ2降格 過去10年は4度が優勝チームから
■勝てばプレーオフだった最終節 試合終盤で逆転負け
サッカーJ1は5日、最終節が行われた。清水エスパルスはコンサドーレ札幌に逆転負けを喫し、2度目のJ2降格が決まった。個人成績では、FWチアゴ・サンタナがリーグ最多となる14得点を記録。得点王を擁するチームがJ2に降格するのは史上初となった。
エスパルスの最終節は今シーズンを象徴するような一戦となった。後半に2度のリードを奪いながら、後半41分に同点とされると、アディショナルタイムに勝ち越されて3-4で敗戦。勝利すればJ1参入プレーオフに回り、J1残留の可能性を残したが、勝負所でもろさを露呈した。
今シーズンは18チーム中、17位と低迷し、2015年以来となる2度目のJ2降格が決まった。クラブ創設30周年を迎え、タイトル獲得を掲げながら、目標とは程遠い形でシーズン終了。山室晋也社長は公式ホームページで次のようにコメントした。
「私共は、この結果を真摯に重く受け止め、今シーズンのみならず、ここ数年続いている低迷の原因追求に努めます。それはチームだけでなくクラブ全体として改めて見つめ直して参ります。強い意思のもと変革し、必ずや1年でのJ1復帰を果たし、強いエスパルスを復活させます」
■チアゴ・サンタナがエスパルス史上初の得点王も…
今シーズンのエスパルスはリーグで3番目に多い54失点と、守備に課題を残した。一方、得点は34試合で44点とリーグ中位。攻撃をけん引したFWチアゴ・サンタナは14得点を記録して、クラブ史上初の得点王に輝いた。
昨シーズンは川崎FのFWレアンドロ・ダミアンと横浜FMのFW前田大然が23得点で並び、得点王を分け合った。チームは川崎Fが優勝、横浜FMは2位。過去の成績を見ると、当然ながら得点王がいるチームは上位に入っている。今回のエスパルスのケースは異例といえる。
以下は、J1の歴代得点王とチームの順位。昨シーズンまでの10年間は、優勝した4チームから得点王が誕生している。
【1993年】ラモン・ディアス(横浜M)/4位
【1994年】フランク・オルデネビッツ(市原)/9位
【1995年】福田正博(浦和)/4位
【1996年】三浦知良(V川崎)/7位
【1997年】パトリック・エムボマ(G大阪)/4位
【1998年】中山雅史(磐田)/2位
【1999年】黄善洪(C大阪)/6位
【2000年】中山雅史(磐田)/2位
【2001年】ウィル(札幌)/11位
【2002年】高原直泰(磐田)/優勝
【2003年】ウェズレイ(名古屋)/7位
【2004年】エメルソン(浦和)/2位
【2005年】アラウージョ(G大阪)/優勝
【2006年】ワシントン(浦和)/優勝
【 〃 】マグノ・アウベス(G大阪)/3位
【2007年】ジュニーニョ(川崎F)/5位
【2008年】マルキーニョス(鹿島)/優勝
【2009年】前田遼一(磐田)/11位
【2010年】前田遼一(磐田)/11位
【 〃 】ジョシュア・ケネディ(名古屋)/優勝
【2011年】ジョシュア・ケネディ(名古屋)/2位
【2012年】佐藤寿人(広島)/優勝
【2013年】大久保嘉人(川崎F)/3位
【2014年】大久保嘉人(川崎F)/6位
【2015年】大久保嘉人(川崎F)/6位
【2016年】レアンドロ(神戸)/7位
【 〃 】ピーター・ウタカ(広島)/6位
【2017年】小林悠(川崎F)/優勝
【2018年】ジョー(名古屋)/15位
【2019年】マルコス・ジュニオール(横浜FM)/優勝
【 〃 】仲川輝人(横浜FM)/優勝
【2020年】オルンガ(柏)/7位
【2021年】レアンドロ・ダミアン(川崎F)/優勝
【 〃 】前田大然(横浜FM)/2位
【2022年】チアゴ・サンタナ(清水)/17位
得点王のチアゴ・サンタナを擁し、日本代表の権田修一がGKを務めながらJ2降格が決まった清水エスパルス。同じ静岡県勢のジュビロ磐田も最下位でJ2降格が決定している。1993年にJリーグが誕生して以来、来シーズンは初めてJ1から静岡県内のクラブが姿を消す。
(SHIZUOKA Life編集部)