2022/12/09
情報漏洩の原因判明、予算額追加 静岡県が中小企業向け補助金の申請受付再開へ
■受付開始直後に予算枠8億円超える申請 事業者情報漏洩でシステム停止
静岡県は申請の受付を停止していた中小企業向けの補助金申請の受付を19日から再開すると発表した。受付開始直後に予算枠を超え、さらに事業者情報が漏洩していることが判明し、受付を停止していた。
静岡県による「中小企業者等物価高騰緊急対策事業費補助金」は、物価高騰の影響を受けた中小企業を支援するもので、11月28日に申請受付を開始した。しかし、開始直後に申請が予算分の8億円を超えた。その時点で2700件、10億円以上の申請があった。
さらに、県によると申請開始から1時間45分後、複数の事業所から「他の事業者の申請情報が参照できる」と情報が寄せられた。県は委託業者に指示を出し、情報漏洩を確認してから13分後に申請システムを停止した。
漏洩した情報は補助金を申請した事業者1社の事業者名、メールアドレス、申請内容、銀行口座、確定申告書の一部、履歴事項全部証明書の写しなど13項目。情報を閲覧した可能性がある機器数は最大5228に上るという。
県は該当する事業者に謝罪し、情報が漏れた原因を究明。その結果、委託事業者が申請システムへの大量アクセスに備えて導入した製品に不具合が見つかった。
■郵送は12日、オンラインは19日から申請受付再開へ
県は再発防止策として「不具合を起こした製品の使用中止」や「システムの十分な動作確認と個人情報等の厳正かつ適正な運用について委託事業者への指導徹底」を挙げている。システムを改修し、安全性を確認した上で再稼働させる。
また、県は上限を超えた補助金の枠を拡大するため、県議会に提出した追加の12月補正予算案に37億3000万円を盛り込んだ。9月補正予算と提出済みの12月補正予算案の分をあわせると、補助金の総額は55億円に上る。
補助金の申請受付期間は、オンラインが12月19日午前10時から23日午後5時まで、郵送は12日から23日(消印有効)までとなっている。補助金の交付は先着順ではなく、全ての申請を受け付けた後に審査し、要件を満たした申請のみ予算の範囲内で補助金を交付する。
補助額は最大50万円で、対象経費の2/3以内。対象は物価高騰対策の取り組みに要する経費で「価格転嫁に関すること」、「コスト削減に関すること」としている。
(SHIZUOKA Life編集部)