2022/12/16
静岡県の新型コロナ「レベル3」間近 指標の目安上回っても「行動制限なし」
■レベル3の指標は5つ 2つが目安を超え、1つは到達目前
新型コロナウイルスの感染者が全国的に増え、静岡県内でも増加傾向が続いている。県内では16日の新規感染者が4259人で、前週の金曜日より1157人増加。新たに5人が死亡した。県内の感染状況は国の評価ではレベル2だが、レベル3は目前。レベル3の「医療負荷増大期」となっても、県は行動制限をしない方針を示している。
国は11月に新型コロナの感染状況や医療ひっ迫状況について、新たな分類を示した。現在、静岡県はレベル2の「感染拡大初期」に位置付けられている。
ただ、川勝平太知事は16日の定例会見で「各指標はレベル3まできている。このまま感染拡大が続いた場合、今夏に発令した医療ひっ迫警報を再度発令することもあり得る」と県民に注意を呼び掛けた。
県によると、5つ設けられた指標のうち2つがレベル3の目安を超え、1つは目安の値に到達する目前に迫っている。目安の値は、今夏の第7波のピーク時の半分を基準にしている。以下は直近の値でカッコ内は目安値。①と④は、すでにレベル3の目安を超えている。
①コロナ受入病院のコロナ入院者数の合計
435人(400人)
②病床利用率
34.1%(50%)
③コロナ・インフル感染濃厚接触者による受入病院の休職医師・看護師数
239人(300人)
④1週間の発熱外来(時間内)の行政検査件数
2万4634件(2万1000件)
⑤1週間の救急搬送困難事案の件数
39件(40件)
■専門家会議でもレベル3への引き上げを指摘する意見
この数字を14日に専門家会議に諮ったところ、専門家15人のうち2人は「レベル3に引き上げるべき」と意見を述べた。残る13人の中には「レベル3は間近」と指摘する専門家が複数いたという。
県は感染拡大を抑えるため、基本的な対策やワクチンの接種を勧めている。ただ、現時点で「一律の行動制限は考えていない」としている。状況に応じて、感染リスクの高い行動や重症化リスクの高い人に注意喚起していく方針を示した。
帰省や旅行により、年末年始は人の動きが活発になると予想される。県は医療がひっ迫すると、新型コロナだけではなく一般医療の受信や入院にも影響が及ぶとして、軽症の際の自宅療養に備えて解熱鎮痛剤や風邪薬、飲み物や食べ物などの準備を促している。
(SHIZUOKA Life編集部)