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2022/12/25

小、中学生の運動能力が過去最低 静岡県も顕著な低下 肥満の割合も上昇

体力テストの結果は小、中学生ともに過去最低を更新

■小学5年と中学2年対象 最低更新は新型コロナの影響か

スポーツ庁が、小学5年生と中学2年生を対象に今年度実施した全国体力テストの結果を公表した。8種目合計の得点は過去最低となり、新型コロナウイルス感染拡大による体力低下が数字に表れた。静岡県も小学5年の男女と中学2年の女子で過去最低を更新した。

 

全国体力テストは運動能力や運動習慣を調査するもので、2008年度から始まった。全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走、反復横跳び、ボール投げなど8種目の実技を得点化する。

 

今年度の調査には4月から7月に実施され、小学5年生99万人、中学2年生91万人がテストを受けた。8種目の合計得点は、小学5年生の男女、中学2年生の男女と全てのカテゴリーで過去最低となった。特に女子の得点が昨年度より下がっている。

 

【小学5年男子】

52.5→52.3

【小学5年女子】

54.7→54.3

【中学2年男子】

41.1→40.9

【中学2年女子】

48.4→47.3

※左が昨年度、右が今年度

 

■週7時間以上の運動は昨年度より増加 コロナ前の水準には届かず

実技の種目別では、50メートル走や20メートルシャトルラン、持久走や反復横跳びが昨年度より点数が落ちている。立ち幅跳びは小学5年生では低下した一方、中学2年男子は調査開始以来、最高となった。握力やボール投げは、ほぼ横ばいだった。

 

運動習慣に関する調査では、「週7時間以上(体育の授業を除く)」の運動をしている割合が小、中学生ともに昨年度より増加した。ただ、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には戻っていない。「運動が好き」と答えた児童生徒の割合も同様の傾向だった。

 

身長と体重から算出した肥満と判断される割合は、小学5年が男子14.5%、女子10.0%。中学2年は男子11.4%、女子7.5%と中学2年女子を除いて過去最多を更新した。

 

体力テストの結果について、スポーツ庁は「新型コロナの影響でマスク着用中の激しい運動自粛による影響が考えられる」と分析している。また、スマートフォンやゲームの時間が増えていることも要因に挙げている。

 

■静岡県は中2男子以外で過去最低 小5男子は全国平均以下

静岡県の小、中学校でも同じ傾向がみられた。中学2年男子以外は昨年度の得点を下回った。小学5年男子は、握力、上体起こし、長座体前屈、立ち幅跳び、ボール投げと8種目中5種目で全国平均以下となり、合計得点も全国平均より0.43ポイント低かった。

 

【小学5年男子】

52.53→51.8652.29

【小学5年女子】

54.45→54.3754.32

【中学2年男子】

41.83→41.8540.90

【中学2年女子】

50.12→49.3647.28

※左が昨年度、右が今年度、カッコ内は全国平均

 

運動習慣に関する調査では、体育の授業を除く1週間の運動時間が減少。特に、中学2年女子は昨年度の調査より1時間40分以上減っている。肥満の割合は小学5年が男子13.3%、女子9.1%。中学2年は男子9.8%、女子5.8%。全てのカテゴリーで全国平均より低かったが、小学5年は2016年度から上昇傾向にある。

 

新型コロナの影響により自宅で過ごす時間が増え、子どもが運動する機会は減った。ただ、政府は新規感染者が増えても行動制限しないウィズコロナへ舵を切っている。運動習慣や運動能力はコロナ前の水準に戻るのか、それともコロナの習慣が今後の新基準となるのか。来年度以降の調査結果が注目される。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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