2022/12/31
悪徳業者の標的は18、19歳 もうけ話、契約、出会い……注意すべき10のトラブル
■悪徳業者の狙いは明確 成人年齢を境に急増する消費者トラブル
2023年の成人式は各自治体で名称を変更している。成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられたためで、静岡県内の市町では「はたちの集い」、「二十歳を祝う式典」などと呼び方を変えている。大人の基準が変わったことで、18、19歳がトラブルにあうケースが増えているという。
民法改正により、2023年度から成人の年齢は、これまでの20歳から18歳に引き下げられた。欧米では成人年齢を18歳とする国が多く、日本も国際的な基準に合わせた形だ。
これにより、18、19歳で新たにできるようになったことがある。「ローンを組む」、「自分名義のクレジットカードを作る」、「一人暮らしの部屋を借りる」といった契約を保護者の同意なく結べる。そして、保護者が業者に契約取り消しを申し出ても受け入れられない。
静岡県によると、成人年齢が20歳だった昨年度、消費者トラブルの相談件数は18、19歳が190件で20、21歳は約2倍の376件となっている。平均被害金額は18、19歳が8万6千円なのに対し、20、21歳は21万5000円に上っている。
成人年齢を境に被害が急増しているのは、悪徳業者は契約を解除できない年齢をターゲットにしているからと言える。県は成人年齢の引き下げにより、18、19歳の被害が増えるとみている。
■もうけ話、借金、出会い 若者が注意したい10のトラブル
全国的にも消費者トラブルや詐欺被害の傾向は同じ。体験だけのつもりだった英会話教室で、ローンを組んで高額な教材を契約してしまった。自宅で手軽にできる副業に必要なソフトを購入するために消費者金融での借金を勧められるといったトラブルが多い。
必要な国民生活センターは、若者から特に相談が多い10のトラブル事案を挙げて、注意を呼び掛けている。
①副業・情報商材やマルチ商法などの「もうけ話」
②エステ・美容医療などの「美容関連」
③健康食品や化粧品などおの「定期購入」
④誇大な広告や知り合った相手からの勧誘など「SNS」
⑤出会い系サイトやマッチングアプリの「出会い系」
⑥デート商法などの「異性・恋愛関連」
⑦就活商法やオーディション商法などの「仕事関連」
⑧賃貸情報や電力契約など「新生活関連」
⑨消費者金融からの借り入れやクレジットカードなど「借金」
⑩スマートフォンやインターネット回線など「通信契約」
国民生活センターはトラブルや被害を防ぐため、「広告や勧誘を鵜呑みにしない」、「その場で契約しない」、「相手が信用できるのか慎重に判断する」など注意を呼び掛けている。
体の大きさは大人と変わらなくても、10代は経験が浅く、判断力が十分とは言い難い。新たな権利を得て自由が増えた一方、犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクが高くなった意識を忘れてはならない。
(SHIZUOKA Life編集部)