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2023/01/21

静岡県の自殺増加人数は全国3番目 男女で異なる年代 カギ握るゲートキーパーとは

厚生労働省は2022年の自殺者数の速報値を発表

■静岡県の2022年自殺者は649人 前年から66人増加

厚生労働省が警視庁の統計をもとに、昨年の自殺者数の速報値を発表した。全国の総数は2万1584人で、前年より577人増加した。静岡県は前年より66人増えて649人。増加人数は全国で3番目に多かった。最近の傾向を年代別で見ると、男性は40、50代、女性は70代が多くなっている。

 

厚生労働省が公表した速報値によると、2022年の自殺者数は2万1584人だった。新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、1000人ほど多い水準が続いている。

 

都道府県別のデータでは、自殺者数の増減がはっきりと分かれている。前年から最も減ったのは山形県で、41人減少している。次いで長崎県の40人減、新潟県と福岡県の36人減となっている。

 

一方、増加人数が最も多かったのは埼玉県の125人。2番目は東京都の95人で、静岡県は3番目に多い66人増加となった。人口全体に占める静岡県の増減率は11.3%と、全国平均の2.7%を大きく上回っている。10%以上増加しているのは静岡県を含めて、全国で7県しかない。

 

10年ほど前は800人を超えていた静岡県の自殺者数は減少傾向にある。2022年は649人と前年より11.3%増えたが、2021年までは5年連続で500人台だった。

 

■静岡県の自殺者 男性は40~50代、女性は70代が多い傾向

県精神保健福祉センターによると、県内の自殺者は男性と女性で傾向に違いがある。男性は2021年、40代が最も多い68人、次いで50代の67人だった。把握できた総数のうち、この2つの年代を合わせて4割近い。ここ10年を見ても、40代か50代のいずれかが年代別で最多となっている。

 

一方、女性は70代の数字が高い。2021年は全体の22%を占める39人が確認されている。過去5年間は2020年を除いて、年代別で1番目または2番目に多くなっている。自殺者の4人に1人が70代だった年もある。

 

本当の理由は本人しか分からない部分はあるが、自殺の原因・動機は過去10年で大きく変わっていない。複数選択が可能な調査で、圧倒的に多いのは「健康問題」。次いで、「経済・生活問題」と「家庭問題」がほぼ同じ割合で続いている。

 

■命の門番「ゲートキーパー」 資格不要で大きな力

自殺者を減らすため、静岡県を含めて全国各地で力を入れている取り組みの1つが「ゲートキーパー」だ。「門番」と直訳され、自殺対策においては「命の門番」の役割を担う。

 

自殺を選ぶ人にはサインがあると言われている。家にこもりがちになったり、飲酒が増えたり、身近な人が他界したり、深刻に悩むようになると今までと様子が変わる。地域や職場などで、そのサインに気付いて話を聞き、必要に応じて専門機関とのパイプ役になるのがゲートキーパーだ。

 

ゲートキーパーには、特別な資格は必要ない。静岡県でも各市町が研修会を開催している。誰でもなれる手軽さがありながら自殺の抑止につながるとして、世界的にも広がっている。研修以外にも、厚生労働省などはゲートキーパーの手帳やテキストを公開している。

 

厚労省の「誰でもゲートキーパー手帳」

0000168752.pdf (mhlw.go.jp)

 

SHIZUOKA Life編集部)

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