2023/02/06
コロナ禍でも静岡県の外国人労働者が増えるワケ 最多はブラジル、2位と3位の国籍は?
■静岡県内の外国人労働者は6万7841人 8年連続最多更新
静岡県で働く外国人の数が8年連続で最多を更新した。新型コロナウイルス感染拡大によって来日する外国人の数が大幅に減る中、労働者が増えている理由は「専門的・技術的分野の在留資格」。国籍別ではブラジル人が最多で全体の27.9%を占めている。
静岡労働局によると、昨年10月時点で県内の外国人労働者は6万7841人だった。前年同時期より1.5%増加し、8年連続で過去最多を更新した。
在留資格別では、日本人の配偶者や日系人の移住者ら「身分に基づく在留資格」が3万8217人で最も多い。全体の半数を超える56.3%を占めている。次に多いのが「技能実習」。これは日本で身に付けた技術や知識を母国で活用することを目的にした制度で、1万2392人に上っている。
技能実習による雇用は増加傾向にあったが、新型コロナの影響もあって2年連続で減少した。一方、前年から38.2%増と急激に伸びているのが「専門的・技術的分野の在留資格」。全体の16.5%にあたる1万1207人で、技能実習に迫る人数となっている。
■急増している「専門的・技術的分野の在留資格」とは
専門的・技術的分野の在留資格は、主に技術・人文知識・国際業務を取得した人材を指す。大学や大学院などで学んだ高度な知識と実務経験を活用して、日本の企業で働く在留資格となる。
日本の大学や大学院などの卒業者、海外の大学を卒業した学位取得者、中学や高校を卒業した専門分野の実務経験者らが対象。はじめは1年間の在留資格を得て、延長する場合は更新していくのが一般的だ。
静岡県で働く6万7841人のうち最も多い国籍はブラジルで、全体の27.9%にあたる1万8904人。フィリピンの1万2923人、ベトナムの1万2615人と続いている。上位は以下のようになっている。
①ブラジル 1万8904人
②フィリピン 1万2923人
③ベトナム 1万2615人
④中国(香港、マカオ含む) 5637人
⑤インドネシア 3552人
⑥ペルー 2727人
⑦ネパール 2566人
■増加率高いネパール、インドネシア 国籍で在留資格に特徴
前年からの増加率が最も高いのはネパールで30.1%伸びている。1年間で594人増えている。次いでインドネシアが803人増えて29.2%増だった。
国籍別の在留資格は傾向が、はっきりと分かれている。ブラジルは99.5%が「身分に基づく在留資格」。内訳は49.6%が永住者で、38.8%が定住者だった。ペルーも「身分に基づく在留資格」が99.8%と高い。
一方、インドネシアは全体の56.6%、ベトナムは46.5%が「技能実習」となっている。中国は「身分に基づく在留資格」が40.1%、「専門的・技術的分野の在留資格」が26.3%、「技能実習」が23.1%。ネパールは46.7%が「専門的・技術的分野の在留資格」だった。
外国人を雇用するのは小規模な事業所の方が多い傾向も明らかになった。規模別に見ると、「30人未満」が全体の35.0%を占めた。「30~99人」は21.6%、「100~499人」は32.8%。「500人以上」は10.5%にとどまった。なお、全ての規模で外国人労働者の数は前年より増えている。
静岡県の外国人労働者数は全国で7番目に多い。外国人を雇用する県内の事業所は9016カ所に上り、欠かせない戦力となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)