2023/04/13
静岡新市長が初めての会見 目指すのは「温かい市政」 ハコモノ事業は軌道修正も
■難波喬司氏が静岡市長就任 アリーナ整備は「市が主体ではない」
9日の静岡市長選で当選し、新市長に就任した難波喬司さんが初めての会見を開いた。目指す方向性に「温かい市政」を掲げ、職員の多忙化を改善する方針を明かした。市民の注目が高いアリーナ、海洋文化施設、サッカースタジアムと3つのハコモノ事業についての考え方も示した。
13日に静岡市長に就任した難波市長は今朝、新茶の初取引で公務をスタートした。その後、市の職員に訓示し、初めての記者会見を開いた。
会見では運営方針に「温かい市政」を掲げた。温かさを持つには時間にも心にも余裕が必要なことから、まずは職員の多忙化を改善していく。
「いきなり私が市長になって『これをやる』と、どんどん新しいことをぶち上げて割り振っていくと、すでに職員の仕事量は限界状態にあります。まずは、今ある仕事を聞かせてもらって、方向付けを進めて仕事の効率化を進めていきます。その上で、市民の悩みに寄り添う市政を目指していきたいと思っています」
3期12年務めた田辺信宏前市長が重視してきたハコモノ事業については、軌道修正する考えを示した。市内で計画を進めているアリーナ、海洋文化施設、サッカーの新スタジアムへの考え方を問われると「3つの性格が違うので、一律にできる問題ではないと思っています」と回答。東静岡が候補地となっているアリーナに関しては、こう話した。
「市が主体となって整備するものではなく、民間事業として行われる企業立地と同じ扱いだと考えています。施設ができた時に社会への波及効果が大きいので、市が何らかの形で下支えすることはあり得ます。ただ、あくまで誘致案件という扱いです」
■海洋文化施設には腹案 サッカースタジアムは検討期間短縮
清水港で計画されている水族館と博物館を融合した海洋文化施設「海洋・地球総合ミュージアム」は、2026年4月オープンを目指している。総事業費は169億円に上り、市の財政負担は18年間続く。難波市長は、事業者との意見交換や交渉が必要と話した。
「すでに契約が結ばれているので、契約は尊重したい。私自身がアイデアを持っているので、巨額になる市の負担は圧縮できると思っています。契約した事業者との意見交換を経て交渉したいと考えています」
サッカーJ2清水エスパルスが本拠地としているスタジアムはJリーグの基準を満たしておらず、対応が求められている。建設から30年以上が経っているため老朽化も指摘されており、改修か新設か議論が進められている。難波市長は次のように考えを示した。
「まだまだ煮詰まっている状態ではありません。改修か別の場所にするのか、今検討されているので、検討結果を待って次の段階にいきたいと思っています。ただし、あと1年かけて検討と言われていますが、1年かける理由が私には見つかりません。どこまで進捗しているか確認して、短期間で結論が出るようにしたいです」
難波市長は、こうしたハコモノに対する自身の基本的な考え方も説明している。ハコモノを単体で考えるのではなく「ハコを中心に、いかに地域経済効果を高めていくのかが大事。まちづくりや文化づくりに広げていかなければなりません」と語った。
(SHIZUOKA Life編集部)