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2023/04/27

静岡県内企業3分の2で正社員採用へ 背景に深刻な人手不足 求める人材は?

静岡県の企業も人材確保へ積極的

■企業が求める人材 「専門的・技術的職業」がトップ

積極的に人材を確保する動きが続いている。今年度、正社員の採用予定がある静岡県の企業は64.4%に上った。賃上げを実施する企業ほど正社員採用を予定している割合が高く、背景には深刻な人手不足がある。

 

国内大手の信用調査会社「帝国データバンク」は2月中旬から下旬にかけ、静岡県内企業775社を対象に正社員の採用予定について調査し、298社から回答を得た。

 

その結果、今年度に正社員を採用する予定の企業は64.4%となった。昨年度より0.6ポイント減少したものの、過去10年で3番目に高い数字となっている。全体の22.4%は前年度より採用人数が増えると答えている。中でも、即戦力となる中途採用に力を入れている企業が増加しているという。

 

企業が求めている人材・職種については、「専門的・技術的職業」が34.2%で最も高かった(複数回答可)。次いで、「販売の職業」が33.9%、「生産工程の職業」が29.9%となっている。企業からは「施工部門に若手の人材が不足している(建設業)」、「設計や組み立ての技術者不足(電気機械製造業)」などの声が上がっている。

 

■「希望する人材いない」 人手不足の企業6か月連続上昇

採用動向と賃上げの関係をみると、正社員、非正社員ともに賃上げする企業ほど、採用予定の割合が高くなっている。正社員を採用する予定の企業のうち、60.5%は今年度の賃上げを見込んでいる。一方、採用予定のない企業で賃上げを予定しているのは39.7%にとどまった。

 

求職者1人あたり何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」は、昨年6月から上昇が続いている。昨年12月には新型コロナウイルス感染拡大後、最も高い1.45倍まで上がり、今も高い水準で推移している。

 

背景にあるのは深刻な人手不足だ。今年2月に帝国データバンクが実施した調査によると、人手不足に直面している企業の割合は6か月連続で上昇し、正社員は5割、非正社員で3割を超えている。

 

正社員の採用を予定していても、企業は人材を確保できるとは限らない。特に中小企業は「人が集まらない」、「希望する人材がいない」と苦労が続いている。帝国データバンクは「コロナ禍の影響が薄れつつある中で人手不足は再び高止まり、より良い人材の確保が生き残りのための重要な要素になる。今後の労働市場における人材の獲得競争が、より一段と強まっていく様子がうかがえる」と分析している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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