2023/04/25
静岡市長が地元紙報道を全面否定 「清水庁舎と新サッカースタジアム一体化する選択ない」
■難波市長が初の定例会見 静岡新聞の報道に「事実と異なる」
静岡市の難波喬司市長が25日、市長就任後初めての定例記者会見を開いた。市民の関心が高い市役所清水庁舎の整備と新サッカースタジアムの構想について、地元紙の静岡新聞社が報道した内容を全面的に否定。清水庁舎に関しては現在の場所で改修する案を進め、新スタジアムと一体化する選択はないと明らかにした。
老朽化が進む清水庁舎の整備をめぐっては耐震性と津波被害などが検討され、2017年度に市は清水駅東口公園に移転して庁舎を立て替える基本構想を決めた。しかし、2020年度に老朽化が問題となっている桜ヶ丘病院の移転先が清水駅東口公園の一部に決まったことで十分な用地を確保できなくなり、清水庁舎の整備は再検討に入った。そして、市は2022年度に現在の庁舎を改修する方向が示された。
一方、清水エスパルスが本拠地としているサッカースタジアムも整備が必要で、清水駅東口のエネオス遊休地が移転先の最有力候補となっている。市民が注目している清水庁舎と新サッカースタジアムについて、地元紙の静岡新聞社は22日、次のような内容を報道した。
「静岡市の難波市長が清水庁舎の整備について、清水駅東口のエネオス遊水地に移転新築する意向を周囲に示していることが関係者への取材で分かった。難波市長は初当選した市長選の際にスタジアムと行政機能などを一体的に整備する複合施設案を提言していて、具現化を目指す考えとみられる」
静岡新聞社は、清水庁舎の現地改修案を難波市長が覆し、庁舎とサッカースタジアムを一体化させる意向を周囲に話していると報じた。報道から3日経ち、難波市長は就任後初めての定例会見で「事実と異なる記事が掲載されました」と全面的に内容を否定した。
■清水庁舎は改修案選択 サッカースタジアムは誘致案件
清水庁舎の整備は2022年度に決まった通り、今の場所での改修案を選択する考えで、今年度中に庁舎の耐震診断を終えたいと話した。庁舎とサッカースタジアムの一体化を否定した上で、静岡新聞の記事内容について反論した。
「市長になる前に色んな考えを述べてきましたが、その中で新サッカースタジアムにはホテルや商業施設、公共施設も入れた方が良いのではないかと話したことはあります。より正確に言うと、サッカースタジアム単体では採算が成り立たないので、ホテルや商業施設、公共施設を入れた複合施設、パークシティにする案を示しました。しかし、清水庁舎の名前を入れたことはありません」
新サッカースタジアムに関しては、従来通り誘致案件という認識を示した。静岡市が先行して計画案を示すのではなく、民間企業から自由に案を募るという。スタジアムができた時に清水庁舎を一体化させる可能性については「選択肢としてはありますが、その時に考えることで今は言うべきではないと思っています」と話すにとどめた。
(SHIZUOKA Life編集部)