2023/05/26
全国各地で患者増加 季節外れのインフルエンザ流行のワケ 静岡県でも学級閉鎖
■新潟県で感染拡大 東北や九州も患者数増加 静岡県は流行期下回る水準
新型コロナウイルスの感染者数が落ち着く中、5月に入っても季節性インフルエンザの流行が続いている。新潟県をはじめ、東北や九州など全国各地で流行期の基準を大きく上回っている。静岡県では5月以降、患者数が減少傾向にあるものの、富士市と浜松市の小学校で学級閉鎖となっている。
厚生労働省によると、5月8日からの1週間で全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は6648人だった。1医療機関当たりの患者数は1.36人で、流行期の目安とされる1を超えている。昨年の同じ時期は患者数が全国で6人だった。
5月に入っても季節性インフルエンザの流行が全国各地で続くのは異例といえる。中でも新潟県は1医療機関の患者数は5.64人と多く、県によると5月15日からの1週間は5.92に増加しているという。
東北地方も、山形県4.30、宮城県3.28など全ての県で1を超えている。九州も熊本県2.72、宮崎県2.36と数字が高い。
静岡県は5月1日からの1週間は1.56、5月8日からの1週間が0.93と減少傾向にあり、流行期の目安となる1を下回っている。ただ、感染が広がっている地域もある。県は25日、富士市の小学校1校と浜松市の小学校2校が学級閉鎖の措置を取ったと発表した。
■集団免疫低下、コロナ対策緩和 今冬は大流行の恐れ
季節性インフルエンザは冬に流行する。例年ならば感染が落ち着いている時期に、なぜ患者が増えているのか。専門家は、こう分析する。
「ここ数年は新型コロナウイルス感染拡大でマスクの着用が徹底され、人との接触も極端に減っていました。この間にインフルエンザの感染者は大幅に減り、集団免疫が低下しています。また、今シーズンは新型コロナ対策が緩和されたため、感染が広がったと考えられます」
インフルエンザの流行は、静岡県でも今年が3年ぶりだった。過去2年間は新型コロナ対策により、インフルエンザの患者が激減していた。新型コロナが感染症法上の5類に移行されて対策が緩和されていることから、今年の冬はインフルエンザが大流行する可能性があるという。
インフルエンザの予防には手洗いやうがい、マスクの着用が推奨されている。幼児や高齢者、持病のある人は重症化するリスクがあるため、ワクチン接種が勧められている。
(SHIZUOKA Life編集部)