2023/07/05
鉄道係員への暴力行為が大幅増加 発生多いのは土日 加害者の半数以上は飲酒
■鉄道係員への暴力543件 前年度から137件増加
JR東海やJR東日本、東京モノレールやOsaka Metroなど全国37社局が、昨年度発生した鉄道係員への暴力行為の件数を集計した。前年度から3割以上多い543件で、そのうち半数以上は加害者が飲酒していた。曜日別では土曜と日曜が特に、件数が多くなった。
集計結果によると、駅係員や乗務員といった鉄道係員に対する暴力行為は543件だった。前年度より137件増えている。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和されて輸送人員が増えたことに伴い、暴力行為の件数も増加したとみられている。月別では新型コロナの新規感染者が増えた8~9月、1~3月の発生件数が少なかった。
曜日別では土曜日が92件で最も多い。次いで、日曜日の90件、金曜日の86件と週末に増える傾向にある。他の曜日は、月曜日68件、火曜日74件、水曜日66件、木曜日67件となっている。
■暴力行為と飲酒に相関関係 加害者は幅広い年代
発生時間は朝(午前5~9時)が67件と極端に少ない。日中(午前9時~午後5時)は151件、夜(午後5~10時)が155件、深夜(午後10時~翌日午前5時)は最多の157件だった。発生時間が不明の場合は件数に含んでいない。
加害者の飲酒については、全体の53.3%を占める289件が「飲酒あり」だった。「飲酒なし」は193件、「不明」は61件。暴力行為の発生時間帯と飲酒の有無の集計結果から、暴力行為と飲酒に相関関係があるとしている。
加害者の年齢は大きな偏りはなかった。最多は「60代以上」の121件。不明を除くと、「30代」の106件、「40代」の98件、「20代以下」の94件、「50代」の84件と続いている。
鉄道係員への暴力は10年前の2012年度は828件で、減少傾向にある。調査では、啓発ポスターの掲示や警察の巡回、駅係員への研修や防犯カメラの設置などが抑止につながっていると分析している。暴力行為に対しては鉄道業界全体が結束して、今後も毅然とした態度で対応するとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)