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2023/07/14

川勝知事の給与返上問題に県民は冷ややか 自民もマスコミも「知事と同じ」「後手後手」の声

川勝知事への不信任決議案の採決は深夜にまで及んだ

■自民が不信任決議案提出→“知事与党”の反対で否決

静岡県の川勝平太知事が給与と期末手当の返上を表明した問題は、県議会で50年ぶりに不信任決議案が提出される事態にまで発展した。結果的には可決に必要な議員4分の3以上の賛成には届かず否決となったが、大きな騒動となった。静岡県民は一連の問題を、どのように捉えているのか。不信任決議案を提出した自民や、一斉に報道を過熱させたマスコミも「知事と大きく変わらない」といった冷ややかな声も多い。

 

2021年に行われた参院補選の応援演説で問題となった“コシヒカリ発言”で、自身へのペナルティとして給与と期末手当の返上を公言していた川勝知事。その約束が1年半に渡って果たされていないことが批判されていた。

 

県議会閉会日となった7月12日の午前、川勝知事は改めて給与と期末手当の返上を表明した。これに対し、県議会最大会派の自民改革会議は川勝知事の不信任決議案を提出。静岡県知事への不信任決議案は1973年以来、50年ぶりだった。

 

県議会の採決は賛成50、反対18。可決に必要な出席議員の4分の3の賛成に1票足りず、否決された。川勝知事を支える、ふじのくに県民クラブの議員18人が全員、反対票を投じた。

給与返上問題で川勝知事には県民からも厳しい声が飛ぶ

1社の報道で各社後追い 過熱する報道に県民は違和感

川勝知事の給与返上問題をめぐる一連の動きを、静岡県民はどのように見ていたのか。有言実行していない川勝知事への批判に加えて、自民改革会議やマスコミへの冷ややかな意見も多い。

 

このタイミングで問題が再燃したのは、7月3日に知事や市長らの所得が公開されたことがきっかけだった。これは毎年実施されているものだが、川勝知事の所得は2261万円。公言していた給与と期末手当の返上は果たされていなかった。

 

報道が過熱したのは翌日4日。公開された所得から、川勝知事が給与を返上していないと1社が報じると、他社が一斉に後を追った。そのほとんどが、知事を追及するものだった。

 

県民からは「マスコミは大半の社が問題意識を持っていたわけはなく、最初の報道を見て騒ぎ出した印象。今回の件に限らず、ワイドショーのような報道ばかり」、「知事が給与返上するためには県議会の承認が必要。知事が返上を公言してから議会は何度も開かれていて議案は提出されていないので、マスコミには問題提起する機会は何度もあった。結局、他社の報道やネットの反応を見て騒ぎを大きくしているだけに見える。今さら知事を厳しく批判するのは違和感がある」といった声が上がった。

 

■「自民もマスコミも知事と同じで信念感じられない」

また、不信任決議案を提出した自民にも苦言を呈する県民は少なくない。コシヒカリ発言直後には川勝知事への不信任決議案を見送り、法的拘束力のない辞職勧告決議案を提出していただけに「今さら不信任決議案を提出するのは県民に向けたポーズに映る」、「マスコミと同じで後手後手。川勝知事への批判の声が大きくなって、ようやく行動を起こしているだけ。自民もマスコミも知事と同じで信念を感じられない」などの意見があった。

 

また、「知事は騒ぎが大きくなったから仕方なく給与を返上するだけで、本当に発言を反省しているのか疑問」、「静岡前市長との不仲やリニア問題など、全国に広がるニュースはこんな内容ばかりで恥ずかしい。マスコミを含めて、もっと県民に有益な情報を発信してほしい」といった声もあった。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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