2023/07/17
世界農業遺産の茶園と富士山や駿河湾を一望 絶景目当てに年間100回登頂する人も
■掛川市の「かっぽしテラス」 山頂まで1時間のハイキング
東海地方の梅雨明けは目前。晴れの日が続く時期にオススメの絶景スポットが掛川市にある。粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス。「かっぽしテラス」の愛称で親しまれている。目の前には茶園が広がり、富士山や駿河湾も一望できる。この景色に魅了され、年間100回も山頂に登るリピーターもいるという。
かっぽしテラスは2019年、山に浮かび上がる「茶」の文字で有名な掛川市の粟ヶ岳山頂にオープンした。かっぽしとは、秋から冬にかけて刈り取った茶草を干した状態を意味する。
眼下に広がるのは静岡県で継承されている茶草場農法の茶園。茶草場農法は秋や冬の期間に茶園周辺のススキやササなどの草を刈り取り、肥料として茶園に敷く。これが品質の良いお茶の生産と、生物多様性の保全にもつながっている。生産と保全を両立させる方法が高く評価され、2013年に世界農業遺産に認定されている。
晴れた日には富士山や伊豆半島、駿河湾に南アルプスも一望できる。山頂までは車でも行けるが、道が狭く対向車とすれ違うのが難しい箇所もある。オススメは、休憩所「東山いっぷく処」周辺の駐車場に車を止め、約1時間かけて山頂へ向かうハイキングコースだ。
■3種類のテラスとカフェ 看板ランチに甘味も
四季折々の草花を眺め、茶園の中を歩いていくハイキング。道は穏やかで途中に休憩スペースもあるため、自分のペースで歩くことができる。車で行くよりも、頂上から見る景色の感激は大きくなるだろう。中には年間100回も山頂まで登る人もいるという。
「かっぽしテラス」は1階にはカフェ「いっぷく処山頂店」が入り、2階はテラスになっている。入館料は無料。テラスはフジテラス、パノラマテラス、スカイテラスの3つ。テラスで景色を満喫し、カフェではランチや甘味を楽しめる。
カフェの一押しメニューは「かっぽしランチ」。おかずはハンバーグと生姜焼きの2種類から選べるが、生姜焼きは店の看板となっている。生姜焼きに使用しているのは地元のブランド豚・金豚王。冷めても固くならず甘みがある。
■世界農業遺産のお茶でいっぷく ふもとの店では土産も販売
ハイキングの疲れを甘いもので癒したい人には、「くつろぎセット」がぴったり。緑茶か煎茶を選択し、お茶受けに手づくりようかんや茶文字まんじゅうを組み合わせられる。その他にも、夏季限定の天然水かき氷やソフトクリーム、地元の山菜を使ったそばやおにぎりなども用意されている。
世界農業遺産の茶園でつくられたお茶葉、ハイキングコースのスタート地点にある「東山いっぷく処」でも味わえる。店内には、お土産用のお茶も種類が豊富で、地元の野菜も販売している。周辺の穴場スポットや季節の情報も案内しているので、ぜひ立ち寄りたいスポットとなっている。
(鈴木 梨沙/Risa Suzuki)
【施設名】
粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス(あわがたけせかいのうぎょういさんちゃくさばてらす)
【場所】
静岡県掛川市東山1051-1
【電話】
0537-27-0845
【営業時間】
午前10時~午後4時
【休館日】
月曜日(祝日の場合は翌日)
※テラス、トイレなどの一部施設は常時利用可能
【交通アクセス】
・東名高速・掛川ICと菊川ICから約35分
・新東名高速・島田金谷ICから約30分
・JR掛川駅からバスで約40分。駅北口7番乗り場から掛川バスサービス東山線東山行きの終点「東山」で下車
【駐車場】
山頂に約50台、ふもとに約30台(無料)
【外部サイト】
掛川市公式HP
かっぽしテラス(粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス) – 観光サイト (city.kakegawa.shizuoka.jp)