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2023/07/19

キングオブ漁師飯だけじゃない! デザイナーズ温泉にオシャレな飲食店 再開発進む港町

昼時や週末は行列ができる「どんぶりハウス」

どんぶりハウスの人気ナンバーワン「生シラス丼」

■静岡市駿河区用宗 名物は生シラス丼

シラスで有名な港町にも観光客が戻ってきた。静岡市駿河区用宗には生シラスを目当てに県内外から観光客が訪れているが、周辺は再開発が進んでいる。デザイナーズ温泉の「用宗みなと温泉」や飲食店が集まる「みなと横丁」は用宗の新たな魅力を発信している。

 

用宗を代表する漁協直営の飲食店「どんぶりハウス」。平日は地元のサラリーマンが列をつくり、週末は県内から観光客が訪れている。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限がなくなり、コロナ前のにぎわいが戻ってきている。

 

どんぶりハウスの看板メニューは「生シラス丼(時価)」。“キングオブ漁師飯”と呼ばれ、その日の朝に水揚げされたシラスがふんだんに盛られている。生魚の臭みがなく、口の中に甘さが広がるのは新鮮なシラスならでは。シラスは水揚げの約9割が釜揚げなどに加工されるため、生シラスを丼で堪能できるのは貴重。生シラス丼を目当てに県外から訪れるリピーターも多い。

 

「どんぶりハウス」では生シラス丼に加えて、「釜揚げシラス丼」、秘伝のタレを使った「マグロ漬け丼」、生シラスとマグロ漬けを同時に味わえる「用宗丼」も人気がある。駿河湾を眺めながら食べると味わいが増す。

日帰り温泉施設「用宗みなと温泉」

「みなと横丁」はリノベーションしてモダンな建物に

■サウナやラウンジ付き「用宗みなと温泉」 併設のビアバーも人気

どんぶりハウスが港内にある用宗港は2000年以降、シラスの水揚げ量がマグロを上回っている。ピーク時からは減っているものの、現在も年間700トン以上が漁獲されている。用宗港では他にも、カマス、クログチ、伊勢海老などが獲れる。

 

用宗港のシラス漁は、2つの船で網を引く「2艘曳き網漁」が特徴。2艘の船でシラスを獲り、漁獲したシラスを漁港に運ぶための船を加えた計3艘で1組となって漁に出る。「2艘曳き網漁」によって漁獲したシラスをすぐに漁港へ運んで競りにかけられるため、高い鮮度を保って消費者へと届けられる。

 

用宗は近年、再開発が進み、シラスを中心とした海産物以外の魅力も発信している。「用宗みなと温泉」は漁港内にあったマグロの加工場をリノベーションしたデザイナーズ温泉。サウナや水風呂に加えて、館内にはラウンジやテラスもある。

 

温泉は地下1000メートルから直接汲み上げられた弱アルカリ性のお湯で、古い角質を落としてきれいにするクレンジング効果があるという。保温、保湿効果もあり体を芯から温めるとされている。温泉に併設されているビアバーで出来立てのオリジナルビールを味わえるのも人気の理由となっている。

 

「みなと横丁」は40年ほど前の横町をモダンな建物にリノベーションし、幅広いジャンルの飲食店が並ぶ。シラスやサクラエビ、マグロを使った海鮮を看板とする店やオムライス専門店、見た目にもこだわったスイーツを提供するカフェなどが集まるグルメスポットとなっている。

 

(鈴木 梨沙/Risa Suzuki

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