2023/08/04
世界的人気のスマホゲームで歴史や文化を学ぶ 浜松市の名所旧跡50か所が追加
■浜松市の歴史的建造物など ポケモンGOのポケストップに
世界的に人気のゲームで浜松市の歴史や文化が発信される。国土交通省は地域固有の歴史を再認識する機会をつくろうと、「ポケモンGO」を運営する「Niantic」と連携し、浜松市の名所旧跡50か所を「ポケストップ」に追加。静岡県内では三島市に続いて2例目となった。
「ポケモンGO」はスマートフォンの位置情報を活用し、現実の世界を歩きながらスマホの画面上でポケモンを集めたり、対戦したりできる体験型ゲーム。世界で10億回以上ダウンロードされている。
ポケモンを捕まえるためのモンスターボールといったアイテムを入手できる場所は「ポケストップ」と呼ばれ、7月25日から浜松市の歴史的建造物など50か所が新たに加わった。
これは「ポケモンGO」を通じて地域の歴史や文化を知り、魅力を再発見する取り組みとして国交省が進めており、浜松市のほか、福島県国見町と滋賀県大津市が第4弾の自治体として加わった。静岡県内では、第2弾(今年4月)の三島市に続く2例目となった。今回ポケストップとなった浜松市の建造物などには、「岐佐神社」、「要害堀」、「信康廟遥拝所」がある。
・岐佐神社(きさじんじゃ)
アカガイの神とハマグリの神、貝の神様を祭っていることから、古くから水産・漁業関係者の信仰を集めている。氏神様として地域の守護神であり、初宮詣りや七五三などで参拝して子どもの成長を祝っている。
・要害堀(ようがいぼり)
17世紀初頭に設置された気賀関所を防備するために設けられた幅1.8メートルの堀。当時は関所の東門から宿場の南に沿って西方向へ掘られていた。現在でも遺構が残っているのは珍しい。
・信康廟遥拝所(のぶやすびょうようはいじょ)
清瀧寺境内にある徳川家康の長男・信康を祭る「廟所」。清瀧寺は、21歳の時に二俣城で切腹した信康を弔うために家康が建立している。
■国交省が浜松市を評価 「固有の風情を感じる歴史的風致が形成」
国交省は浜松市について「自然環境に恵まれた国土縮図型都市の美しい風土を舞台に街道が通り、城や社寺を中心にまちが発展した。集落ごとに人々の祈りが具現化した祭礼行事が行われるとともに、農業や水産業など風土に適した生業が営まれ、固有の風情を感じる歴史的風致が形成されている」と説明している。
NHK大河ドラマ「どうする家康」を追い風に、観光客の増加が期待される浜松市。「ポケモンGO」とのコラボは、旧跡史跡に興味のない人にも歴史や文化を伝えるチャンスとなる。
(鈴木 梨沙/Risa Suzuki)