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2023/08/06

欧米と日本で大きな違い カウンセリングの目的は? 色を使った占い感覚の手法で気軽に

色の持つ力を生かして心の状態を分析するカラーセラピー

■欧米では気軽 仕事帰りに気持ちをリセット

カウンセリングをもっと気軽に。6月に静岡市でオープンした「サロン・ド・マコモ」はネガティブな気持ちをリセットし、「自分で自分の心のケアをできるようにする場所」を目指している。サロンでは、占いのような感覚で心を癒すカラーセラピーも取り入れ、カウンセリングのハードルを下げようとしている。

 

女性向けカウンセリングルーム「サロン・ド・マコモ」を運営する松田佳美さんは、今年3月まで保育士をしていた。保育士の頃から心理学やカウンセリングを学んで資格を取得。特に、交流分析やインナーチャイルドといった理論に興味を持っていた。保育士をしながらイベントなどで学びをアウトプットする中で、松田さんはカウンセリングに対するハードルの高さを感じていた。

 

「日本では心が病んでいる人が行くというイメージが強いですが、欧米では仕事帰りにスッキリするというような感覚でカウンセリングが活用されています。その日のイライラや不安を引きずらないように、カウンセリングでリセットするわけです。本来は、そういうものなのだと思っています」

 

欧米では日本よりもカウンセリングが一般的で、利用している人の割合が半数を超えているというデータもある。カウンセリングは心が病んでいるから行くのではなく、心を整える目的として位置づけられているのだ。欧米の自殺率が日本より大幅に低いのは、心のバランスが崩れる前にカウンセリングで安定させているからとも言える。

 

一方、日本ではカウンセリングに「重いイメージ」があり、ハードルが高い。そこで、松田さんが取り入れているのが「カラーセラピー」だ。

カラーセラピーの資格も持つ松田さん

■日本の重いイメージを払拭 色で分析「カラーセラピー」

カラーセラピーでは色が異なる10本の瓶を並べて、カウンセリングに来た人に心地良く感じる色や嫌な感覚を抱く色などを選んでもらう。選んだ色や順番によって、今どんなストレスを感じているのか、将来どんなことを望んでいるかなどを色の持つ特徴から判断していく。松田さんは「選んだ色と自己対話し、カウンセリングが終わった時には自分の中にあったよく分からなかった感情が整理されます」と説明する。

 

日によって選ぶ色が大きく変わる人もいれば、同じ色を長い期間選び続ける人もいる。月に1回の頻度でカラーセラピーをすると、心の状態をより把握しやすいという。

 

松田さんはカラーセラピーの最後に、今後の自分を応援してくれる「サポートカラー」を1色選ぶように伝える。同時に、その日から新しく始めることも決めてもらう。自分との約束と色を紐づけるのだ。

 

「自分との約束は、朝起きたら鏡に向かって『おはよう』と挨拶するなど、簡単なことで良いんです。サポートカラーを意識的に見たり、その色の洋服やアクセサリーを身に着けたりすることで、自分との約束を思い出します。小さなことであっても、約束を守れると自分への自信につながります」

 

松田さんは継続することでカウンセリングの効果は表れると考えている。だからこそ、ハードルを下げ、気軽に訪問できるサロンを目指している。「色のついた瓶をかわいいと感じてカラーセラピーを始めても良いですし、お茶を飲みながらリラックスしてカウンセリングする場所にしていけたらと思っています」。重苦しい雰囲気とは無縁のサロン・ド・マコモはカウンセリングのイメージや常識を変えようとしている。

 

(間 淳/Jun Aida

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