新型コロナの新規感染者増加で県民に注意を呼び掛けた川勝知事

■直近1週間の感染者1万4900人と推計　感染拡大警報発令

多くの人が今週末から、お盆休みに入る。お盆期間は旅行や帰省で人の移動が活発になると予想される中、静岡県が懸念するのは新型コロナウイルスの感染拡大。県民に2つのお願いを呼び掛けている。

新型コロナの新規感染者数は増加ペースが上がっている。静岡県は直近1週間の感染者数が1万4900人と推計。県独自で定めている1週間で1万4000人の基準を超えたため、感染拡大警報を発令した。

オミクロン株の感染拡大が始まった昨年1月の第6波では、1週間の感染者数は県内で1万2000人台がピークだった。すでに、その数字を超えており、県は第9波に入ったという認識を示している。

現在の第9波は、昨年12月から今年1月にかけての第8波と感染者の増え方が類似しているという。第8波は1日2000人、1週間で1万4000人の新規感染者が確認されてから2週間後に、入院患者数や緊急搬送困難事案が急上昇した。そこで、県は感染拡大警報を発令。川勝平太知事は8日の定例会見で「これ以上、医療のひっ迫が進まないように注意していただきたい」と県民に呼び掛けている。

■お盆期間に入院患者数急増と予想　川勝知事が2つのお願い

入院患者数や緊急輸送困難事案が急上昇すると予想されるのは、まさにお盆の期間にあたる。旅行や帰省を計画している人が多いことから、川勝知事は県民に2つのお願いをしている。

「1つ目は旅行や帰省を計画している人で風邪の症状などがある場合、無理をせず勇気を持って延期して療養するようお願い申し上げます。2つ目はお盆期間の医療機関の受診です。休診する医療機関が多いので、熱、咳、喉の痛みなど症状が軽く、持病のない若い人は、できる限り受診を控えてほしい。市販薬を服用して自宅療養をお願いいたします」

川勝知事は、新型コロナに感染している可能性がある場合、帰省先で重症化リスクの高い高齢者にうつる恐れがあると指摘した。また、第9波の対策として、事前に希望のあった高齢者施設など1649か所に抗原検査キッド約34万個を配布した。施設で勤務する人が定期的に検査し、重症化リスクのある人への感染を防ぐ目的がある。

今夏は、新型コロナが感染症法上の位置付けがインフルエンザと同じ5類に移行されてから初めてのお盆となる。観光地やイベントに賑わいが戻っていることからも、昨年までとは違った人の動きが予想される。川勝知事のお願いは県民に届くのか、医療ひっ迫の不安が現実となるのか。お盆明けに答えが出る。

（SHIZUOKA Life編集部）