2023/09/01
家庭ごみの有料化は? 静岡市で10月からプラスチックごみの分別スタート
■10月から清掃工場のプラごみ 職員が手作業で分別
静岡市の難波喬司市長がプラスチックごみの分別回収を本格的にスタートすると発表した。今後は家庭でも可燃ごみとプラスチックごみの分別が求められる。浜松市では検討されている家庭ごみの有料化については「現状では考えていない」と述べた。
静岡市はSDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素社会の取り組みの一環で、「循環型社会を目指した廃棄物政策の推進」を掲げている。具体的な取り組みとして、現在は可燃ごみとプラスチックごみを分別しない方法を見直して本格的な分別回収を始める。難波市長は8月31日の定例会見で次のように語った。
「静岡市は焼却場の能力が高いので、プラスチックも燃やしています。サーマルリサイクルと呼んでいますが、燃やして燃料にして熱として使うことでリサイクルしています。これは結局ごみを燃やしているので、CO2を発生させています。これからは分別回収して再資源化していきます」
静岡市は今年10月から、清掃工場に持ち込まれた一部のブラスチックごみの分別を開始する。市民が清掃工場に持ち込んだごみの中から、再資源化に適したポリバケツ、ハンバー、文具といったプラスチックを職員が手作業で分別して、リサイクルに回す。来年5月には、区役所や生涯学習施設などの公共施設にプラスチック製品の回収ボックスを設置。段階的にリサイクルの量を増やしていく。
■家庭ごみの有料化 難波市長「今の時点では考えていない」
ただ、静岡市には現在リサイクル施設がない。市は民間事業者にヒアリングし、複数の企業が事業参入に意欲を見せているという。用地の確保や施設の建設など、3年から5年の期間をかけて施設を完成させる予定となっている。
市民の関心が高い家庭ごみの有料化については、現時点では考えていないという。難波市長は、こう話している。
「プラスチックのリサイクルにどのくらいの費用がかかるのかを見た上で、皆さんにご負担いただくのか、負担なしで今まで通りにやるのか議論が必要。プラスチックのリサイクルを進めると分別に手間がかかります。さらに有料化で負担をかけると、なかなかご理解いただけないと思う。市として考え方を整理して有料化しないとは申し上げませんが、今の時点では考えていません」
家庭ごみの有料化をめぐっては、浜松市が導入を検討している。当初は9月の市議会定例会で関連条例案を提出する意向を示していたが、物価高騰などを考慮して条例案提出を見送っている。市が指定する有料のごみ袋を購入している中で、ごみの回収も有料になることに市民の反発は根強い。
静岡市では分別回収の本格実施を2028年度以降としている。段階を踏んで、プラスチックごみの再資源化を進めていく。
(SHIZUOKA Life編集部)