2023/09/16
日本代表は過去最多16人 ラグビー独自のルール 外国籍の選手が多いワケ
■トンガやオーストラリアなど 33人中16人が外国籍
ラグビーワールドカップ・フランス大会は1次リーグが行われている。日本代表のメンバーを見て、普段ラグビーを観戦する機会が少ない人が感じた疑問の1つに「外国籍の選手の数」がある。今大会はメンバー33人中、過去最多の16人。ラグビーの代表チームは野球やサッカーなどとは根本的に考え方が異なり、代表選手の条件にも違いがある。
ラグビー日本代表は初戦でチリ代表に勝利した。6トライを決めて勝ち点5(勝利で勝ち点4、4トライ以上で勝ち点1)を獲得し、前回大会のベスト8以上を目指して好スタートを切った。チリ戦でトライを決めたのはアマト・ファカタバ選手、ジョネ・ナイカブラ選手、リーチ・マイケル選手、中村亮土選手、ワーナー・ディアンズ選手の5人。名前だけ見ると、どこの国の代表なのか分からないかもしれない。
この国籍に関係なく一定の居住年数などで代表チームに入れるところが、ラグビーの特徴と言える。今大会の日本代表の登録メンバーは33人中、外国出身選手は過去最多の16人を占めている。内訳はトンガの5人が最多で、ニュージーランドやオーストラリア、フィジーや韓国などとなっている。
サッカー日本代表では、日本に帰化した選手は少なくない。ラグビーでもリーチ・マイケル選手は日本に帰化している。ただ、ラグビーでは別の方法でも代表入りできる条件がある。他の競技と根本的に異なるのは、代表選手が「国の代表」ではなく、「協会の代表」という点にある。ラグビー日本代表は、日本ラグビーフットボール協会の代表なのだ。代表の条件には以下が定められている。
①当該国(地域)で出生
②両親または祖父母のうち、1人が当該国(地域)出生
③プレーする時点の直前5年間で継続して当該国に居住
■世界1位のアイルランド D組のイングランドにも外国籍の選手
代表チームに、国籍が異なる選手が選出されているのは日本だけではない。他の国でも一般的だ。今大会で日本と同じ1次リーグD組に入ったイングランドにも、オーストラリアやサモア出身の選手がいる。世界ランキング1位のアイルランドにはニュージーランドやイングランド出身者も入っている。
ラグビーは日本で決してメジャーなスポーツとは言えない。日の丸をつけた外国籍選手の存在はラグビーに親しみのある人には自然でも、ワールドカップだけテレビ観戦する人にとっては違和感があるかもしれない。ラグビーは国籍を超えた競技性やチームワークも魅力の1つとなっている。
(SHIZUOKA Life編集部)