2023/10/06
J1自動昇格争う静岡ダービー エスパルスが両サポーターへ異例の禁止事項発表
■7日にエスパルスとジュビロ対戦 勝ち点差1で2位争い
サッカーJ2の清水エスパルスとジュビロ磐田が7日、エスパルスのホームIAIスタジアムで対戦する。毎回、選手もサポーターも熱くなる静岡ダービー。今回は熾烈なJ1自動昇格圏を争っているだけに、一層激しい戦いが予想される。エスパルスはダービーを前に、両チームのファン・サポーターに禁止事項を発表した。
今回のダービーは普段以上の重みがる。2位までがJ1に自動昇格できるJ2の順位は現在、FC町田ゼルビアが勝ち点71でトップ。2位に勝ち点65でジュビロがつけている。そして、3位のエスパルスは勝ち点64でジュビロを追っている。リーグ戦は両チームともダービーを含めて5試合。最大のライバルへに勝利すればチームの士気は一気に高まり、J1自動昇格へ大きく近づく。
注目の一戦のチケットは、すでに完売している。エスパルスは不正転売されているチケットを購入しないよう注意喚起しているが、6日時点で本来の金額の約4倍で販売されているチケットもある。
エスパルスは「清水エスパルス、ジュビロ磐田ファン・サポーターの皆様へ」と題して、公式ホームページで禁止事項を発表している。当然ともいえるマナーだが、トラブルを避ける異例の呼びかけとなった。以下を禁止事項に挙げ、「安心・安全な会場運営のため、皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします」とコメントしている。
・選手バス到着時刻前後、バスロータリー付近で応援フラッグを振る行為、横断幕を掲出する行為
・選手バス到着時刻前後、バスロータリー付近の動線上で立ち止まるなど、滞留する行為
・その他、クラブハウスや宿泊施設、スタジアムに到着するチームバスの動線上での行為
■相次ぐサポーターの禁止行為 浦和は天皇杯の参加資格はく奪
サポーターの違反行為は後を絶たない。エスパルスは今年4月に開催されたベガルタ仙台戦で、観戦が認められていない通路で試合を見ていたサポーター1人が通路下の座席で観戦していた観客に暴力をふるって怪我をさせたとして、ホームゲームの入場を5試合禁止する処分を下した。
8月には天皇杯で名古屋グランパスに敗れた浦和レッズのサポーターが次々とピッチになだれ込み、怒りや不満を爆発させた。スタンドでは浦和サポーターによる警備員への暴力行為が撮影され、SNSで拡散された。
事態を重く見た日本サッカー協会は暴徒化した浦和サポーター21人を無期限、1人を5試合の入場禁止とした。さらに、浦和に対して来年度の天皇杯参加資格をはく奪する懲罰を科している。
競技自体は好きでも、ルールを逸脱する一部サポーターへの嫌悪感からサッカー観戦を敬遠する人は少なくない。クラブによる禁止事項の発表は日本サッカー界の現状を示している。
(SHIZUOKA Life編集部)