2023/11/01
浜松市が市民アンケート開始 市長への本音 「実直さ感じる」、「存在感がない」
■「市民への約束」評価月間 中野市長就任後初めて
浜松市民が行政の対応を評価する「市民への約束」評価月間が始まった。今年5月に就任した際、「市民が関心を持つ市政」、「市民と歩む市政」を強調した中野祐介市長にとって、初めて市民の評価を知る機会となる。
「市民への約束」は市民サービスの向上を目的に、浜松市職員の意識改革の方針を明確にするために制定されている。今年9月、これまでの内容を引き継ぎながら項目を以下の3つにまとめて表現も変更した。
①市民の皆さまに寄り添って仕事をします。
②市民の皆さまに分かりやすく説明し、親切・丁寧に対応します。
③創意工夫しながら、コスト意識とスピード感を持って取り組みます。
この市民への約束が実行されているのか、11月1日から30日までの1か月間、市民が実際に評価する。市役所の各課や施設を利用した市民が、市のホームページや市役所などに置かれているアンケート用紙を通じて回答する。
アンケートは市民への約束3つの項目について「満足」、「やや満足」、「やや不満」、「不満」と4つの選択肢から1つを選ぶ。250文字以内で自由に意見を述べるスペースも設けられている。市は来年2月頃にホームページで結果を公表し、各職場で改善策を検討するとしている。
市民への約束を評価する取り組みは2000年度から実施され、今年度が24回目となる。昨年度は7564件の回答があった。設問全体に対する回答のうち、「満足」は84.5%に上り、「やや満足」を合わせると98.2%を占めた。自由意見の中には「いつも笑顔で優しく対応してくれる」といった評価に対し、「窓口の手続きに時間がかかり、次の予定に遅刻した」、「複数の職員に何度も同じ説明を求められた」と改善を求める内容もあった。
今年5月に就任した中野市長にとって、市民への約束が評価されるのは初めてとなる。中野市長は就任会見で「市民がさらに関心を持つ市政」や「市民と一緒に歩む市政」を掲げている。市のトップに立って半年が経ち、市民の声は様々だ。
中野市長に好意的な市民からは「実直さや慎重さを感じさせる」、「まだ半年だが、特に悪いところがない」などの声が上がる。一方、「鈴木康友前市長の頃と比べて、浜松市の存在感や注目度が落ちた」、「市長に派手さは必要ないかもしれないが、市長の名前や顔が浮かんでこない」といった意見もあった。また、「平時の時に目立つ必要はないので、災害などの有事の時に存在感を見せてほしい」という市民もいた。
(SHIZUOKA Life編集部)