2023/12/07
清水エスパルスが異例の声明発表 選手と元アイドル妻への誹謗中傷に法的措置も検討
■J1昇格プレーオフでPK献上 高橋祐治選手に誹謗中傷
1年でのJ1昇格を逃した清水エスパルスが6日、異例の声明を発表した。SNSで選手や近親者へ誹謗中傷する人に対して法的措置を含めた対応を取ると警告。具体的な選手名は避けたが、東京ヴェルディとのプレーオフでPKを献上したDF高橋祐治選手と妻の元AKB高城亜樹さんへの投稿を念頭に置いたとみられる。選手への誹謗中傷をめぐっては、プロ野球でも問題となっている。
エスパルスは公式ホームページに「選手および近親者へのSNSアカウントへの悪質な投稿について」と題したコメントを掲載した。全文は以下の通りとなっている。
「エスパルス所属選手および近親者へのSNSアカウントへの誹謗中傷のメッセージがありました。誹謗中傷、侮辱、脅迫はいかなる理由があっても決して許されることではありません」
「このたびの内容は極めて悪質なものであり、看過することはできません。所轄警察署、弁護士への相談の上、法的措置を含めた適切な対応を取ってまいります」
「清水エスパルスでは今後もこのような行為に対して厳正に対処してまいります。ファン・サポーターの皆様におかれましては、リスペクトをもった発信・行動を行っていただきますよう、あらためてお願い申し上げます」
■批判受けた高橋選手「妻に送るのだけはやめていただきたいです」
エスパルスは2日に行われたJ1昇格プレーオフで東京ヴェルディと1-1で引き分け、リーグ戦の順位が下回っていたため昇格を逃した。この試合の後半アディショナルタイムに高橋選手による相手選手へのタックルがファウルと判定され、同点となるPKを決められた。
数的有利な状況だった中、ペナルティエリア内でタックルを選んだことに対し、一部のサポーターらから批判の声が上がった。さらに、高橋選手の妻で元AKBの高城さんまで誹謗中傷を受けたという。高橋選手は自身のInstagramで次のようにつづった。
「今も最後の最後に、なぜあのプレーを選択したのか悔やんでも悔やみきれません。まだ切り替えるには時間がかかりますが、少しずつ来年に向けて切り替えていければと思います」
「誹謗中傷ですが僕に送ってもらう分には大丈夫ですし、理解しております。ただ、妻のSNSに送るのだけはやめていただきたいです。よろしくお願いします」
■日本ハムやソフトバンクでも心ない投稿 プロ野球界でも問題
スポーツ選手への誹謗中傷をめぐっては、プロ野球界でも問題になっている。9月には日本ハムがファンに声明を出した。SNSで伊藤大海投手に対する差別的な投稿が見つかり、「看過できないと判断した場合は、専門家や警察などの関係機関と連携しながら法的措置などを視野に入れ、断固とした対応を取ることがございます」とコメントしている。
10月にはロッテとのクライマックスシリーズで同点3ランを許したソフトバンク・津森宥紀投手に対して、SNSに心ないコメントが投稿された。ファンやサポーターによる選手への誹謗中傷は愛情や激励と言えるのか。答えは明確だろう。
(SHIZUOKA Life編集部)