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2022/08/11

敬遠されがちな「お金の話」が思わぬ事態に……夫婦で考え方を共有する大切さ

■子どもの教育や老後のビジョンで夫婦間にズレがあるケースも

共有しておかないと、思わぬ問題や夫婦げんかに発展してしまうかもしれない。女性のキャリア支援を手掛ける静岡県静岡市のNPO職員は、敬遠されがちなお金の話を家族や夫婦でする大切さを説く。生活に欠かせないお金について考えることは、理想の人生を歩むことにもつながる。

 

「家庭によって個人差はありますが、子どもに心配をかけたくないから、何にいくらかかってるかを伏せてるケースは多いと思います。特に専業主婦の立場だと自分の稼ぎがないので、自らお金の話をしづらい面があります。稼ぎがないからお金の話はしないのではなく、家族の一員として共有してほしいところです」

 

2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持つ松永裕美さんは、家族や夫婦でお金に関する考え方を共有する必要性を強調する。松永さんは静岡市のNPO法人「男女共同参画フォーラムしずおか」の職員で、お金に関する講座を開催した経験もある。お金に対する考え方は家族間であっても、はっきりと口にしないケースは多いが、お金を含めたライフプランを互いにすり合わせておかないと、思わぬ事態に陥る可能性があるという。

 

例えば、専業主婦の女性の中には、子どもが保育園や小学校に入ったら働こうと思っているケースがある。ところが、夫はずっと専業主婦でいると考えている場合もある。いざ働こうとしたタイミングで初めて妻の考え方を知り、子どもの送り迎えや平日の洗濯や食事など育児や家事の一部をお願いされた夫は困惑。トラブルになる可能性もある。

静岡市西部生涯学習センターの講座で話をする松永さん

■ライフプランと直結する「お金の話」 家族間で共有を

子どもの教育や老後の考え方も、夫婦で大きな隔たりが生じる時もある。「夫が子どもに中学受験をさせると言い出した」、「夫婦で体が元気なうちは働くのかと思っていたら、夫は60歳で退職して老後は海外で暮らすつもりだった」。自分自身は以前から計画していたとしても、配偶者に伝えていなければ、“突然の宣言”と捉えられる。

 

ライフプランは、お金の問題と直結する。「家族や配偶者に影響する部分が大きいので、ライフプランを共有することが大切です」と松永さん。家族や夫婦間でお金の話をするのは、非常識でも恥でもない。理想の人生を実現するために不可欠と言える。

 

(間 淳/Jun Aida

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