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2024/02/19

静岡県が全国トップ 4人に3人が花粉症 東海と関東で発症率が高いワケ

花粉症を引き起こしているスギ

■花粉症の経験者 静岡が最多74%、最少は沖縄の23%

季節外れの暖かさで、例年より早く花粉症の症状が表れやすくなっている。静岡県は花粉症を自覚している人の割合が74%と全国で最も高いことが、第一三共ヘルスケアの調査で明らかになった。東海地方や関東地方はスギの植林面積は東北の3分の1ほどと小さいにも関わらず、花粉症の発症率が高くなっている。

 

三共ヘルスケアは昨年12月、47都道府県の4700人を対象に花粉症に関するインターネット調査を実施した。その結果、静岡県は74.0%と全国平均55.1%を大きく上回り、全国で最も高かった。最も少ないのは沖縄県の23.0%だった。花粉症の経験があると解答した人の割合が高い地域は東海と関東が上位を占めた。

 

【花粉症の経験者が多い都道府県】

①静岡県 74.0

②山梨県 71.0

③岐阜県 71.0

④千葉県 70.0

⑤神奈川県 69.0

⑥長野県 67.0

⑦滋賀県 67.0

⑧東京都 65.0

⑨三重県 65.0

⑩京都府 65.0

花粉症対策として政府はスギの木の伐採に取り組む方針

■森林+コンクリート 静岡は花粉症発症しやすい条件

環境省によると、花粉症を引き起こす最大の要因となっているスギの植林面積は東北地方が最も広い。ただ、東北地方の花粉症発症率は52.7%と全国平均を下回っている。一方、スギの植林面積が東北地方の3分の1ほどと狭い東海地方が66.8%、関東地方が64.0%と高くなっている。

 

なぜ、東海や関東は花粉症の発症率が高いのか。専門家は次のように分析している。

 

「静岡県と山梨県は面積全体に占める森林の割合が高く、花粉症を引き起こすスギやヒノキが多いです。関東は森林の面積が小さいものの、コンクリートが多くなっています。土と違ってコンクリートは花粉を吸収しないため、地面に落ちた花粉が割れて舞っている状態になります。静岡市や浜松市はコンクリートが多い市街地とスギやヒノキが植えられた山間部と、花粉症を発症しやすい条件がそろっています」

 

沖縄県と北海道が象徴するように、花粉症の割合が低い地域は海に囲まれている。山梨県や長野県は山が多いことに加えて海がないため、飛散期間が長くなる傾向がある。実際、沖縄や北海道に引っ越してから花粉症の症状が和らいだり、なくなったりする人は少なくないという。

 

■風邪の症状が出ている時は注意「花粉症になりやすい」

花粉症になるかどうかは、遺伝と環境2つの要因が挙げられている。アレルギー体質の人は発症しやすく、花粉に触れる環境にいれば発症する可能性は高くなる。専門家は花粉症対策について、こう話す。

 

「花粉症以外のアレルギー症状を放置せず、子どもの頃はスキンケアに気を付けると発症率を下げることにつながります。また、物理的に花粉に触れないように自宅の掃除や空気清浄機の設置なども必要です。鼻やのどが荒れていると粘液に花粉が溶け込んで花粉症になりやすいので、風邪の症状に対処することも大切です」

 

花粉症の症状を和らげるには、外出時にマスクを着用したり、薬を服用したりする対策も有効になる。花粉症は社会的、経済的に影響が大きいことから、政府はスギ人工林の伐採や花粉が少ない品種への植え替えを進める方針を示している。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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