2024/02/22
2024年問題の助けに期待 東海道新幹線で新サービス 弁当や医薬品を即日輸送「マッハ便」
■今年4月から開始へ 法人向け荷物輸送サービス
JR東海は東海道新幹線「こだま」を活用した新たなサービスを開始する。揺れが少ない新幹線の長所を生かし、法人向けに生鮮食品や医薬品などを輸送する。即日届けるサービスで「東海道マッハ便」と名付けられた。
JR東海は2020年10月から、乗客と荷物を同時に運ぶ「貨客混載輸送」の実証実験を重ねてきた。今年4月以降に準備が完了次第、サービスを開始する。
JR東海によると、東京―名古屋間と東京―新大阪間で「こだま」の11号車にある業務用室を活用して荷物を運ぶ。1回当たり、3辺合計120センチの段ボール40箱ほどを輸送できる。物流事業を担うJR東海物流と契約した法人が対象で、約2週間前に輸送する荷物を確定する必要がある。
新幹線は時間に正確で揺れが小さいことから、輸送する荷物は生鮮食品、精密機械の部品、医薬品を想定している。例えば、少量の医薬品を東京で集荷して、大阪の病院まで新幹線と車を組み合わせて配送する。つくりたての和菓子を朝早く名古屋から東京まで新幹線で運び、東京駅構内の店舗で当日に販売することも想定している。
サービス名は「東海道マッハ便」に決定。「こだま」が音に関係することに着想を得て、早さを想起させる言葉を選んだという。同様のサービスには、JR東日本の「はこビュン」やJR九州の「はやっ!便」がある。JR東海は今後、複数の新幹線をまたいだ輸送など、JR各社との協議を進めてより広い範囲に荷物を届けていくという。
東海道新幹線の1日最大の設定可能本数は東京―名古屋間で26本、東京―新大阪間で22本となっている。トラックドライバーの労働時間が制限される2024年問題が間近に迫る物流業界にとって、新幹線は解決の一助になる可能性がある。
(SHIZUOKA Life編集部)