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2024/02/28

インターネットは堅調、新聞とテレビは苦戦続く 広告費の差が拡大 ネット1強時代へ

電通本社ビルなどが並ぶ東京・汐留

■総広告費7兆3167億円 全体の45.6%がネット

大手広告代理店・電通が2023年の広告費を発表した。国内の総広告費は7兆3000億円余りで前年から3%増えた。インターネットが7.8%増加で全体をけん引する一方、新聞やテレビは減少に歯止めがかからない。静岡県内でも傾向は同じで、「広告はネット一強時代になる」と予想されている。

 

電通によると、2023年の総広告費は7兆3167億円で、前年から2146億円増えた。増加は3年連続となる。

 

国内全体では広告費が伸びているものの、媒体による差は拡大している。インターネットは3兆3330億円で、前年から7.8%増加。総広告費の45.6%を占めている。雑誌とラジオも、それぞれ2.0%、0.9%と前年より増加した。雑誌は電子出版の市場が成長している。

 

一方、新聞とテレビは苦戦が続いている。新聞は3512億円で5.0%の減少、テレビは1兆7347億円で3.7%減少となった。新聞、テレビ、ラジオ、雑誌の「マスコミ4媒体」を合わせても、インターネットの広告費に及ばない。2021年にインターネットがマスコミ4媒体を逆転してから、その差は広がっている。

 

その他の広告費は、イベント、屋外広告、交通広告が前年よりも伸びている。それに対し、折込やフリーペーパーといった紙媒体は落ち込んでいる。

 

■静岡県内もネットに移行「今後も間違いなく加速」

広告もデジタルに移行する傾向は都市部の方が顕著に表れているが、静岡県でも同様だという。県内にある広告代理店の担当者は、テレビや紙媒体からインターネットにシフトする企業が増えていると話す。

 

「限られた宣伝広告費で効果を出したいという考え方を持っている企業ほど、ネットに移行しています。10代、20代の若い世代だけではなく、今は50代や60代もネットが情報源です。新聞を読んだり、テレビを視聴したりするかつての習慣はなくなってきました。この傾向が今後、加速するのは間違いないでしょう。今の小、中、高校生にとって、テレビはYouTubeやNetflixといった動画配信サービスを見るための画面でしかなくなっていますから」

 

電車やバスの乗客はほぼ全員がスマートフォンを触り、テレビをリアルタイムで視聴する習慣は薄れつつある。インターネットが情報を集める手段の主流になっている以上、ネットとオールドメディアの広告費に差が広がっていくのは自然な流れといえる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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