2024/03/09
犬の聖地で動物と人の共生考えるイベント “大谷翔平の犬”もパネリストで登場
■ペットの商品やサービス手掛ける企業 伊豆高原に集合
静岡県伊東市で8日、「動物と人の共生社会」をテーマにしたイベントが開催された。ペット事業を展開する企業の経営者らが、ペットとの生活を豊かにする商品やサービスに込めた思いを明かした。パネルディスカッションにはドジャース・大谷翔平投手が飼っていることで有名になった「コ―イケルホンディエ」も“登壇”した。
伊東市の中南部に位置する伊豆高原は犬に優しい地域として知られ、「犬高原」とも呼ばれている。エリアには犬と一緒に利用できる宿泊施設や飲食店などが多い。
犬の聖地とも言える伊豆高原で8日に開催されたのは「伊豆高原ワンケーション」。働きながら休暇を楽しむ「ワーケーション」や学習と休暇を組み合わせた「ラーケーション」に愛犬も加える取り組みを考えるイベントだった。イベントは伊豆高原観光オフィス(IKO)やペット事業を手掛けるサークル・オブ・ライフなどが主催し、ペットに関連する商品やサービスを展開する企業による講演やパネルディスカッションが行われた。
講演では、エステーとイヴケアの担当者が共同開発を進めている取り組みを紹介した。動物の体毛からストレスの度合いを計り、ペットがより快適に過ごせる環境をサポートしようとしている。
現在は研究段階だが、同じ条件で犬を飼った場合、去勢していない犬の方が去勢した犬よりもストレスを感じやすい傾向が出ているという。また、留守番や散歩の時間や頻度によって犬のストレスがどのように変化するかなども紹介した。
■パネルディスカッションは犬同伴 “大谷の犬”も登場
パネルディスカッションでは、ペット向けの商品やサービスを展開するに至った経緯や現状の障壁をテーマに、企業の担当者が考えを述べた。猫用トイレや消臭剤といったペット用品を販売するエステーの奥平壮臨さんは「ペット目線の商品が少ないことが事業を立ち上げた理由」と明かした。一般的な猫用トイレは臭いが気になる飼い主の悩みを解消する目的で開発されていると指摘。独自に開発した消臭チップで猫も快適で安心できるトイレを実現した。
ペット関連のフードや保険など、官公庁や民間企業の事業をサポートするデロイトトーマツコンサルティングの田中晴基さんは海外のマーケットにも詳しいことから、日本との違いを説明した。ペットフードを例に出し、米国と比べてペット事業のマーケットが大幅に小さい日本ではフレーバーやパッケージを改良するアイデアが出ても国内に工場が少ないため形にするのが難しいという。田中さんは「日本のペット業界を変えるには、異業種の大企業参入がカギになる」と語った。
今回のイベント参加者は、飼っている犬を連れて講演やディスカッションに耳を傾けた。パネリストも動物好きばかりで、ペットも一緒に“登壇”した人もいた。田中さんの隣には、最近になって知名度が急上昇した犬種「コ―イケルホンディエ」。ドジャース・大谷投手の愛犬「デコピン」と同じ犬種で、田中さんは「最近は散歩していると声をかけられることが急激に増えました」と話した。
3月9日と10日には、伊豆高原観光オフィスと伊東市が主催する「伊豆高原わんわんマルシェ」が開催される。場所は伊東市にある「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン駐車場」。キッチンカーが集まり、獣医師によるペットセミナーも行われる。
(SHIZUOKA Life編集部)