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2024/03/29

今度は浜松市で…「欲求抑えられなかった」 静岡県内で相次ぐ教職員のわいせつ行為

浜松市でも教員の懲戒免職処分を発表

■女子生徒にキス、入浴施設で男性を盗撮 男性教員2人を懲戒免職

教職員によるわいせつ行為に歯止めがかからない。浜松市教育委員会は中学校の男性教員2人が盗撮やわいせつな行為をしたとして、懲戒免職したと発表した。市民や県民からは教職員を志す人材が減っていることが、教育現場の質の低下に拍車をかけると不安の声も上がっている。

 

浜松市教委によると、20代の男性教員は昨年2月ごろ、自身が勤務する中学校の女子生徒にインスタグラムでメッセージのやり取りを始め、6月から11月にかけて抱きしめたり、キスをしたりする不適切な行為を繰り返した。市教委による聞き取りに「好意を持ってしまった」と話している。

 

別の中学校に勤める20代の男性教員は今年2月24日の午後4時から9時頃にかけて、市内の入浴施設でスマートフォンを使って男性を盗撮した。施設の従業員が盗撮に気付き、警察に通報した。男性教員は警察の捜査を受けており、市教委に対して「欲求が抑えられなかった」と今までに10回以上の盗撮をしたことを認めているという。

 

市教委は、男性教員2人をいずれも3月28日付で懲戒免職としている。この他にも、市内の中学校に勤務する30代の男性教員が昨年9月に生徒の顔を殴り、頭を壁に叩きつけて全治1週間の怪我をさせたとして停職1か月の懲戒処分とした。浜松市教育委員会の宮崎正教育長は「市民の皆さまの信頼回復に向けて全力を挙げて取り組むとともに、教職員の綱紀粛正に万全を期すよう指導してまいります」と謝罪した。

 

■静岡市でも男女2人を懲戒免職 生徒にわいせつ行為

教職員の不祥事をめぐっては今月、静岡市教育委員会も男女2人の懲戒免職を発表している。中学校の男性教諭は今年度に校内で生徒を抱きしめたり、不必要で不適切な身体接触を何度も行ったりした。中学校の特別支援教育支援員の女性は勤務時間外に自家用車の中で生徒と複数回、わいせつな行為に及んだ。

 

静岡市教委は2人をともに懲戒免職処分としている。浜松市教委と違い記者会見を開いておらず、教職員の年代や被害を受けた生徒の性別なども明らかにしていない。

 

両政令市以外を管轄とする県教育委員会も22日、運転死亡事故や勤務手当の不正受給などで教職員3人の懲戒処分を発表している。教職員の相次ぐ不祥事、特に児童や生徒が被害者となるわいせつ事案が続いていることに、県内の保護者からは怒りや不安の声が漏れる。

 

■採用倍率低下の一途 教員の“不人気”に保護者から不安の声

中には、今後は教職員の不祥事が一層増えていくと指摘する保護者もいる。その理由に挙げるのは、“教員の不人気”だ。今年度に採用された教員の選考試験の倍率は0.3ポイント減少の3.4倍。6年連続で前年度の倍率を下回った。

 

売り手市場で就職先を選べる状況が続いていることや、教員に長時間労働のイメージが強いことなどから志望者が減っている。教員は人気の職業ではなくなっているのだ。保護者からは「このまま教員の成り手が減っていけば、人材不足で適性のない人を採用せざるを得ない状況に陥るのではないか。教育の質の低下や子どもたちへの不適切な行為が増えそうで心配」などの意見が出ている。

 

子どもたちが安心して通えるはずの学校。教育委員会が繰り返す「綱紀粛正」や「信頼回復」といった決まり文句は空虚に響く。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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