■広島・佐藤啓介内野手　プロ1年目で2軍の打率.357

静岡大学出身で昨秋のプロ野球ドラフト会議で広島から育成2位指名を受けた佐藤啓介内野手が7日、支配下登録選手となった。練習環境が決して恵まれているとはいえない静岡大学から初の支配下登録選手が誕生した。佐藤選手は今シーズン、ウエスタン・リーグで打率.357をマークして首位打者に立っている。

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静岡県の野球界に新たな歴史が刻まれた。佐藤選手が広島と支配下登録選手契約を結んだ。背番号は94に決まり、球団を通じて次のようにコメントした。

「目標にしていた支配下選手になれて素直に嬉しい気持ちでいっぱいですがようやくスタートラインに立っただけです。さらに日々精進して1軍の舞台で活躍できるように頑張っていきますので、応援のほどよろしくお願いします」

佐藤選手は右投げ左打ちの内野手。プロ1年目の今シーズンはウエスタン・リーグで47試合に出場し、打率.357、2本塁打、15打点、7盗塁の好成績を残している。3月から4月にかけて17試合連続安打を記録する活躍で、ファーム月間MVP賞を受賞している。

広島・佐藤啓介選手が卒業した静岡大学の静岡キャンパス

■静岡大出身のプロ野球選手は2人目　支配下登録は初めて

静岡大学では2019年のドラフト会議で奥山皓太氏が阪神タイガースから育成2位指名を受けた。佐藤選手は2人目のプロ野球選手で、支配下登録されたのは初めてとなる。広島からドラフトで指名を受けた際には「自分が今までやってきた通り、1日1日を大切にして努力を重ねて、将来的には1軍で活躍できる選手になりたいです」と決意を述べ、その言葉通り1軍の舞台に立つ権利を手にした。

佐藤選手が卒業した静岡大学の地域創造学環は従来の学部の枠組みを越える教育プログラムで、2016年にスタートした。静岡大学によると、人文社会科学部、教育学部、情報学部、理学部、工学部、農学部と全ての学部の授業を履修できるという。幅広い教養と高い専門知識を身に付けながら、積極的に地域に飛び出して学んでいくことを特徴としている。

地方の国立大学とあって、大学卒業後に野球を続ける学生はほとんどいない。練習環境も恵まれているとは言えない。静岡大学は静岡市と浜松市にキャンパスがあり、静岡キャンパスにグラウンドがある。浜松キャンパスの学生は約80キロの距離を移動して練習に参加する。

全体練習は週末のみで、平日は個人練習となっている。上のステージを目指す選手は大学や自宅近くのジムに通ってトレーニングしたり、自費で専門家に指導を受けたりする。この環境でプロ野球選手を目指し、さらには支配下登録選手となるのは練習の工夫や思考力、ぶれない信念や覚悟など様々な要素が問われる。

佐藤選手は本職の二塁手に加えて、最近はウエスタン・リーグで一塁手としても出場している。広島の1軍には不動のレギュラー菊池涼介選手がいるため二塁手としての出場は限られるが、一塁手や交流戦の指名打者（DH）にはスタメンのチャンスもある。

（SHIZUOKA Life編集部）