2024/06/26
高校野球の暑さ対策進む 静岡大会は試合時間変更や気化式冷風機 甲子園は二部制導入
■夏の甲子園をかけた静岡大会 6月30日に開会式
高校野球の暑さ対策が進んでいる。6月30日に開幕する全国高校野球選手権静岡大会では開会式や試合開始の時間が変更し、球場に冷風機を設置する。夏の甲子園は一部の日程で午前と夕方に試合をする二部制を導入する。
【静岡大会トーナメント】夏の甲子園切符をかけて 7月6日に1回戦スタート
夏の甲子園切符をかけた静岡大会は30日に開会式が実施され、7月6日から1回戦が始まる。近年は暑さが厳しくなっていることから、高校野球では試合中の水分補給を徹底したり、黒のみとしていたスパイクの色を白も認めたりするなど、熱中症対策に取り組んでいる。
今年の静岡大会では開会式を例年の午後1時から午前10時に早める。最も熱い時間を避ける狙いがある。試合時間も第1試合を午前9時開始とし、昨年と同じように5回が終了したタイミングで、体の熱を冷ます10分間のクーリングタイムを設ける。また、今年は各球場に2台ずつ、気化式冷風機を設置する。
8月7日に開幕する夏の甲子園ではクーリングタイムに加えて、今年から気温が上がる時間帯に試合を避ける二部制を敷く。期間は開幕から3日に限られるが、午前に2試合と夕方に1試合の計3試合とする。開会式も今までより30分早い午前8時半にスタートする。準決勝は第1試合を午前8時から、第2試合を午前10時35分から開始、決勝は午前10時からと例年よりも早める予定となっている。
暑さ対策で試合時間を変更する動きは近年、少しずつ広がっている。2018年には滋賀大会で当初4試合実施する予定だった3回戦を午前中の2試合だけにしたり、決勝戦の開始時間を午後0時半から午後3時に遅らせたりした。同じ年の京都大会では、準々決勝の第3試合を夕方から開始し、第4試合が午後10時半頃に終了して話題となった。
■“小学生の甲子園”では午前と夕方の二部制 試合時間も短縮
“小学生の甲子園”と呼ばれる高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントでは2年前から、試合を午前8時半から2試合、夕方4時から2試合に分けている。1日最大4試合の大会進行は変わらず、「7イニング、2時間半」から「6イニング、1時間半」にルールを変更している。
野球は他のスポーツと比べて試合時間が長く、球児は炎天下で長時間プレーする。ユニホームは生地が厚く、ソックスを重ねて履くなど暑さに弱い。かつての夏とは気温の高さが違うだけに、競技や大会の運営も変化が求められている。
(SHIZUOKA Life編集部)