2024/09/04
急に返せと言われても… 静岡市が手当を過大支給 誰もマニュアルの誤りに気付かず
■会計年度任用職員12人の休日手当 総額73万円を過大支給
静岡市は駿河区役所で働いていた警備員に支給していた休日手当に過不足があったと発表した。歴代の担当者が誰もマニュアルの誤りに気付かなかったことが原因で、少なくとも2019年分からミスが起きてしていたという。
静岡市によると、2019年9月から2023年9月までに駿河区役所で警備業務にあたった会計年度任用職員18人の休日手当の支給額に間違いがあった。このうち12人には過大に支給しており、総額は73万4370円に上る。残りの6人は過少支給で合計18万5711円だった。
ミスの原因は手当の金額を算出する際に使うマニュアルの誤りだった。昨年10月に誤りを見つけるまで、手当の支給業務に携わる職員全員が気付かなかった。マニュアルは2017年から使用されていたため、2017年から2019年の間にも支給の過不足が生じていた可能性が高いという。
ただ、地方自治法では追給や返納を5年前までしか認めていない。また、5年を超えた資料は破棄される規則となっており、確認する手段がない。
静岡市は18人のうち在職している11人に対し、今年3月の支給分で修正処理をしている。退職者7人には今後、追給や返納の対応を取るという。
■あきれる市民「責任感のなさ」、「減給して補填すべき」
返納の対象が会計年度任用職員(職員の補助として1会計年度内を任期とする非常勤の公務員)とあって、市民からは「退職者の中にはギリギリの生活をしているもいるのではないか。過剰に支給したから返納しろと急に言われても簡単ではない」と同情の声が上がる。市役所に対して厳しい声も少なくない。
「今回の件に限らず、市の職員は3年ほどで部署異動するので当事者意識がない。これだけ長い間、多くの人の目に触れていながら、マニュアルの誤りに気付かないのは個々の職員の責任感のなさを表している」
「お役所仕事と言われるゆえん。ミスしても誰も責任を取らず、当たり前のように事務的に返納を求める。マニュアルの誤りに気付けなかった職員を減給にして、そのお金で過大支給分を補填すれば良いのではないか」
「静岡市は同じようなミスばかり。市の職員は忙しい、人手不足と言われているが予算を使ってシステムを整えるべき。短期的には費用がかかっても、中・長期的には無駄な人員を削減できてミスも減るので、結果的に市民のためになる」
静岡市はマニュアルの修正を済ませた。再発を防ぐため、給与を担当する職員への研修を実施するとしている。
(SHIZUOKA Life編集部)