2022/09/22
家康や直虎、名産品や音楽関連は最終候補外れる 浜松市が新しい区名の市民アンケート開始
■行政区再編で区名案7つに絞り込み 小学生以上の市民が投票対象
静岡県浜松市が新しい区名を決める市民アンケートを開始した。市は一般募集した案をもとに7つの案に絞り込み、市民から意見を求めている。応募した区名の中には、浜松市とゆかりのある徳川家康や音楽に関連したユニークなものもあったが、最終的な7案から除外されている。
浜松市は現在7区ある行政区を3区にする再編を進めている。そのうち、天竜区は単独で残し、それ以外を2つの区(A区、B区)にすることが決まっている。この2つの区の名前を市民から募集し、市議会の特別委員会での議論を経て、それぞれ7つの案に絞り込んだ。
行政区再編では、A区が現在の中区、東区、西区、南区、北区の三方原地区を1つの区とし、B区は三方原地区以外の北区と浜北区を合わせている。21日から始まった市民アンケートでは、市内に住んでいる小学生以上を対象に、各区の候補案の中から希望する区名を投票できる。ただ、この投票結果によって区名が決定するとは限らず、アンケートを参考にして、市議会の特別委員会の意見も踏まえて決定する。
■最終候補には応募上位の案が採用されないケースも
A区の区名をめぐっては当初、市が「奏」、「灘」、「曳馬野」、「渚」、「青」の5つ案を選んでいたが、「中央」と「遠州」を追加した。市民からの一般応募で1位の中央と2位の遠州が除外されたことに、特別委員会から異論が出たためだ。市が選定した5つの区名の中で最も応募が多かった「奏」の応募が84件だったのに対し、「中央」と「遠州」は1000件を超えていた。
B区の区名も「緑」、「みどり」、「万葉」、「橘」、「青葉」の5案に、一度は除外された「浜名」と「北浜」が加えられた。「浜名」はB区の応募で唯一1000件を上回る1258件で、「北浜」は「緑」に次ぐ3番目だった。
市は一般応募で件数がそれほど多くなかった案を最終候補に選んでいる。例えば、A区の「青」は59件と全体27番目だったが、「温暖な気候で晴れの日が多く、遠州灘に面し、青空や青い海が似合う地域。美しい青い色は、さわやかで明るい未来を感じさせる」と選考理由を説明している。
応募数80件で20位タイだったB区の「青葉」については、「青葉があふれる木々の緑に囲まれた美しい地域。みずみずしく伸びやかに、未来に向かって、さらに成長していく」としている。
■一般応募には「家康区」、「ミュージッ区」、「バイ区」
一般応募ではA区の3位に「家康区」、18位に「いえやす区」が入った。他にも11位は名産の「うなぎ区」、音楽のまちを謳う浜松を意識した「おんが区」、「ミュージッ区」といったユニークな案もあった。
B区でも17位の「井伊」、22位の「なおとら」をはじめ、浜松の特色を押し出した「みかん区」、「バイ区」といった話題を集めそうな区名が多かった。だが、「人名など固有の名詞・呼称を使用しない」など、市が条件を設けたこともあって最終候補から外れている。
市民アンケートは10月12日まで実施する予定で、インターネットや郵便で受け付けている。11月にも、それぞれの区名の候補が1つに絞られる。
(SHIZUOKA Life編集部)