2022/10/13
静岡県Z世代の意外な仕事観 30代以上より現状に満足 仕事に求めるのはお金より成長
■静岡のZ世代47.8%が今の仕事に満足 転職・独立希望も同じ割合
Z世代と呼ばれる現在の10代前半から20代半ばの若者は、物心がついた時にはスマートフォンやSNSが当たり前だった。30代以上の世代とは考え方や感覚の差を指摘されることも多いが、Z世代の静岡県民は“意外にも”現在の仕事に満足していた。仕事のやりがいには報酬以上に「スキルアップや自己の成長」を挙げ、その割合は東京のZ世代よりも高かった。
静岡経済研究所は世代別の仕事に対する価値観を調査し、結果を公表した。調査の対象は静岡県内で働く1000人と、比較対象とする東京都内で働く1000人。インターネットによるアンケートで実施した。
X世代(1965~80年生まれ)、Y世代(1981~95年生まれ)、Z世代(1996~2000年生まれ)の3つに分け、現在の仕事に対する満足度を質問した結果、「満足(20.7%)」と「やや満足(27.1%)」を合わせた割合は、Z世代が最も高い47.8%となった。「不満」の回答は9.3%と1割にも満たなかった。
X世代とY世代は「満足」と答えた割合が、それぞれ7.6%と8.6%で、「やや満足」を合わせても、X世代は30.8%、Y世代が35.3%だった。
ただ、Z世代は今の仕事に一定の満足感を得ていても、転職の意向は強い。「ずっと働きたい(10.7%)」と「できれば働き続けたい(30.7%)」を合わせた割合は41.4%にとどまり、「いつかは転職したい(32.1%)」、「一刻も早く転職したい(11.4%)」を合わせた転職希望者は43.5%に上った。また、起業やフリーランスの希望する人も4.3%いた。
■静岡と東京を比較 静岡のZ世代は組織より個に関心
東京のZ世代は、働き続けたい割合が32.5%、転職希望が45.0%。静岡県のZ世代以上に転職への考えが強い傾向にある。
静岡と東京のZ世代を比較して興味深いのは、「仕事をする上のやりがい」。複数回答が可能な質問に対して、東京のZ世代は「報酬」が最も多い40.8%だった。一方、静岡のZ世代は「スキルアップや自己の成長」が47.1%と最多で、「報酬」の45.0%を上回った。
その他にも、静岡のZ世代は「興味のある分野の仕事(35.7%)」、「新しいことへの挑戦(27.1%)」、「目標に対する達成感(22.9%)」が高かった。それに対し、「企業への業績貢献」が5.0%と東京のZ世代の半分で、「チームワーク」は11.4%と東京の14.2%より低くかった。
静岡経済研究所は「責任ある仕事やチームといった“組織”に関する項目よりも、スキルアップや新しいことへの挑戦といった自分を伸ばす“個”に関する項目が高い。これが転職の1つの要因になっていると思われる」と静岡のZ世代の傾向を分析している。
(SHIZUOKA Life編集部)