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2025/02/24

1年以内の倒産「高リスク」 静岡県の企業1割以上の4389社 2つの業種が1000社超

■静岡県の4万3055社が対象 4389社が「倒産高リスク」

民間の調査会社・帝国データバンクは1年以内に企業が倒産する確率を10段階で表す「倒産予測値」を発表した。静岡県内は全体の1割を超える4389社が「高リスク」と分析され、中でも製造業と建設業の数が多くなった。

 

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帝国データバンクによると、2024年の全国倒産件数は9901件で、前年の8497件を上回った。3年連続の増加となっている。新型コロナウイルス感染拡大によって売上が落ち込んだ企業を支援する「ゼロゼロ融資」の影響から2021年は倒産件数が大幅に減少したが、融資返済や物価高などが経営を圧迫し、2024年は倒産件数が1万件目前に迫った。

 

こうした状況を受け、帝国データバンクは企業が1年以内に倒産する予測値を算出した。倒産の確率が最も低い企業をグレード1、最も高い企業をグレード10として10段階で示している。その結果、予測対象となった全国の企業147万社のうち、2024年12月時点で「高リスク企業(グレード8~10)」は全体の8.6%となった。

 

静岡県内では4万3055社を対象に予測され、全国平均を上回る全体の10.2%にあたる4389社が「高リスク企業」と分析された。前年よりも9社増えている。

写真はイメージ

■業種別の最多は「製造業」 割合が最も高いのは「飲食」

業種別に見ると、製造業が1219社と最も多い。前年から165社増加した。次いで、製造業が59社増えて1083社、卸売業が49社減って876社だった。

 

業種を細かくみると、「職別工事業」が512社で最多となっている。同じく建設業の「総合工事業」も428社と2番目に多い。続いて「飲食料品小売業」の348社、「運輸業」の313 社、「食料品・飼料・飲料製造業」の302社だった。

 

高リスク企業の割合で見ると、「飲食店」が 45.7%と最も高い。「飲食料品小売業」が 45.4%と業界全体の半数弱の企業が高リスク企業となった。「出版・印刷・同関連産業」、「繊維工業、繊維製品製造業」、「皮革・同製品・毛皮製造業」が3割を超えている。帝国データバンクは今後の見通しについて次のようにまとめている。

 

「材料や燃料費、人件費高騰が続く中、買い手の価格転嫁に対する理解が進み始めてはいるが、企業にとって厳しい環境が急激に好転することはないだろう。加えて追加利上げ、さらなる賃上げの動きに対応しきれず、あきらめ倒産やあきらめ廃業が広がると予想される。コロナ禍を経て、経営改善が進む企業がある一方、依然として厳しい企業も多い。人手不足の中で採用が進み業績が回復する企業もあれば、価格転嫁が進まず財務改善が難しい企業もあり、優勝劣敗が鮮明になっている」

 

倒産予測値は帝国データバンクが保有するビッグデータから倒産に関係が深い要素だけに焦点を当て、独自の統計モデルによって算出している。ビッグデータは現地確認の信用調査と独自のネットワークによる変動情報などを集積しているという。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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