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2022/10/15

甲子園で春はV、夏は準V 高校野球〝伝説の二塁手“が「別格」と脱帽した2人の内野手

甲子園史上最高の二塁手と呼ばれた常葉菊川高の町田さん

■元常葉菊川の町田友潤さんは計4度甲子園出場

「甲子園史上最高の二塁手」には、「別格」と目を奪われた2人の内野手がいた。常葉菊川(現:常葉大菊川)高校の二塁手だった町田友潤さんは、2007年の選抜高校野球大会で優勝、2008年の全国高校野球選手権で準優勝するなど、春夏合わせて4度の甲子園出場を果たした。今でも「伝説」と評される守備の名手だったが、「まねをしたり、参考にしたりするレベルではなかった」と振り返る同級生と先輩がいた。

 

元常葉菊川の町田さんは現在、浜松市で放課後等デイサービスと児童発達支援の事業所を計4カ所運営している。社会人野球の名門・ヤマハに所属していた2013年に23歳で現役を退いてから9年。甲子園で最後にプレーしてからは14年が経ったが、「甲子園史上最高の二塁手」は野球ファンの記憶から消えることはない。

 

町田さんは2年生だった2007年のセンバツで初めて聖地に立った。二塁手のレギュラーとして常葉菊川史上初の甲子園優勝に貢献。ここから4季連続で甲子園に出場した。「伝説」となったのは、2008年夏。決勝で大阪桐蔭に敗れて優勝には一歩届かなかったものの、町田さんの守備は観客を魅了した。「セカンドに打ってしまえば望みはありません」。実況の名言も生まれた。

 

難しい打球でも柔らかくグラブに収め、安打性の打球もアウトにする守備。試合の勝負所で、何度も相手チームのチャンスの芽を摘んだ。「甲子園史上最高の二塁手」とまで言われた町田さんだが、「別格」と振り返る2人の内野手がいる。

 

■楽天・浅村は「圧倒的なすごさ」 常葉菊川史上最高の内野手は「異次元」

1人目は大阪桐蔭出身で、楽天の浅村栄斗内野手。2人は年齢が同じで、町田さんは甲子園で対戦して直接プレーを目にしている。「自分とは動きが全然違いました。速いし力強い。練習しても超えられない圧倒的なすごさを感じました」。浅村の守備を見て、プロに行く選手のレベルを目の当たりにしたという。

 

もう1人は、町田さんの5つ先輩で、「常葉菊川史上最高の内野手」と呼ばれている藤原将太さん。常葉菊川から亜細亜大、東芝とアマチュア野球の王道を歩み、2019年に現役を引退した。

 

藤原さんの守備を直接見たり、一緒にノックを受けたりした機会を振り返り「考えられない上手さです。打球を捕るのと送球する動きが同時。捕った瞬間に投げ終わっているような守備でした」と語る。華麗な守備に目を奪われ「少年がプロ野球選手を見る感覚です。少しでも吸収しよう、まねをしようというレベルではありませんでした」と回想する。

 

2の人生に児童福祉の道を選び、4つの事業所を運営する経営者となった町田さん。グラブを置いて9年が経っても、「伝説」は語り継がれている。その町田さんでも異次元と感じていた内野手が2人いた。

 

(間 淳/Jun Aida

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