2022/10/16
新型コロナの影響ほぼ解消 静岡県の中心市街地や観光地の土地価格上昇
■静岡県の基準地価は住宅地で前年比0.9%下落 0.3ポイント改善
全国の基準地価が公表され、静岡県は住宅地前年比マイナス0.9%、商業地はマイナス0.6%となった。いずれも14年連続の下落となったが、下落幅は縮小した。中心市街地や観光地の地価は伸び率が高く、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、ほぼ解消されたとみられている。
基準地価は各都道府県が主体となって評価する土地の標準価格で、毎年公表される。全国の約2万地点が評価の対象となっている。
公示地価も公的な地価の評価で、基準地価と大きくは変わらない。主な違いには、基準地価が都市計画域外も評価対象に含むことや、不動産鑑定士が1人以上(公示地価は2人以上)という点がある。評価の基準日は基準地価が毎年7月1日時点なのに対し、公示地価は1月1日時点となっている。
静岡県によると、今年7月1日時点の地価公示は住宅地が1平方メートル6万4000円で昨年からマイナス0.9%となった。前年の変動率より0.3ポイント改善している。
商業地は前年比マイナス0.6%で1平方メートルあたり13万9900円、工業地はプラス0.1%で4万5700円だった。
■住宅地上昇率トップは「西草深町」 商業地は熱海市が1、2位
県内の調査対象は610地点。住宅地は80地点で前年より価格が上昇し、一昨年の32地点を大幅に上回った。住宅地で最も上昇率が高かったのは静岡市葵区西草深町の4.3%だった。西草深町は静岡市中心部にある駿府城公園近くのエリアで閑静な住宅街。1平方メートルの価格は29万1000円に上がっている。
商業地の上昇率トップは熱海市田原本町の10.2%。熱海市は銀座町も9.6%上昇で2位に入っている。首都圏からも近い人気観光地への需要が戻っているといえる。静岡市の中心市街地の葵区鷹匠も伸び率が高く、新型コロナの影響で大幅に減った客足やにぎわいの回復傾向が表れている。
全国の平均は住宅地がプラス0.1%で、1991年以来31年ぶりに上昇に転じた。新型コロナの感染者が大幅に増え、社会生活にも支障が生じた2020年にはマイナス0.7%と下落幅が大きくなっていた。
商業地と全用途も、それぞれ0.5%と0.3%の上昇で、いずれも新型コロナ感染拡大前の2019年以来のプラスだった。基準地価は長期化する新型コロナからの回復を示している。
(SHIZUOKA Life)