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2022/10/20

転職に「デメリットはない」 基準は1つ「今の仕事にワクワクしているか」

■静岡市の若手女性起業家 今に生きる転職の経験

 転職に「デメリットはない」と言い切る。シングルマザーによる仕事代行事業で注目されている静岡市の若手女性経営者は、転職の経験が起業してからの仕事に生き、不満があるまま現状を変えない姿勢はマイナス面が大きいと強調する。転職するかどうかの基準は1つ。今の仕事にワクワクしていないなら、環境を変えるよう伝えている。

 

 ひと昔前と違って、終身雇用に対する“神話”は崩れつつある。欧米のように、転職はキャリアアップと考える人も増えている。それでも、保守的な日本では、転職を躊躇(ちゅうちょ)したり、否定的に考えたりする人は少なくない。

 

 3年前に静岡市で「Vario’s合同会社」を立ち上げた石光(せき・ひかり)さんは、「転職にデメリットはありません」と推奨している。自身も起業する前に携帯ショップ、ホテル、保険会社、化粧品関連会社で勤務した。

 

石さんは2人の娘を育てるシングルマザーとして保険会社と化粧品関連会社で働いていた時、シングルマザーが仕事と育児を両立させる難しさを痛感した。シングルマザーたちが子どもと自宅で過ごしながらできる仕事を提供する事業を始めようと、起業を決めた。

複数回の転職を経て3年前に静岡市で起業した石さん

■「仕事にワクワク感がなければ成長できない」

 中国出身の石さんは中学1年生の時から日本で生活し、高校卒業後は携帯ショップに勤務した。接客の基本やコミュニケーション能力を磨き、最初に転職したホテルでは即戦力として活躍した。保険会社で身に付けた営業力は、起業してから最大の武器になっている。石さんは言う。

 

「転職をためらう人は現状を変えたくないという人が多いと思います。新しい環境に挑戦すれば当然、壁にぶつかります。でも、行き詰った時に道を切り開こうとすることで引き出しが増え、視野も広がります」

 

 石さんは、仕事で知り合った人や友人に転職を相談されることがあるという。迷っている人に問うのは「今の仕事にワクワクしているかどうか」の1つだけ。ワクワクしていないのであれば、転職を勧める。石さんは「ワクワク感がなければ仕事は上手くいきません。成長もできません」と強調する。

 

■仕事で大切なのは「人」 一緒に働く人で人間力が変わる

 仕事は業務内容も大切だが、石さんが重視するのは「人」。一緒に働く人によって、人間力が変わると考えている。

 

「映画や音楽は感性を豊かにしますが、視野や考え方を広げるのは人だと思っています。尊敬する人や元気をもらえる人と話をして、一緒に仕事をすることで、社会人としてはもちろんですが、人間としても成長できます」

 

 現状維持は成長できないどころか、後退している可能性もある。今の仕事にワクワクしているか。転職するか迷っている人は、胸に手を当てて自分に問えば答えが出るかもしれない。

 

(間 淳/Jun Aida)

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