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2022/10/21

ドラフト会議で静岡県勢4人が指名 常葉大菊川出身2人は日本ハム 同校8年ぶり5人目

日本ハムからドラフト4位指名を受けた常葉大菊川高の安西投手

■日本ハム4位に安西叶翔投手、5位に奈良間大己内野手

 プロ野球ドラフト会議が20日行われ、静岡県ゆかりの選手は4人が指名を受けた。今年の県内ナンバーワン投手と評された常葉大菊川高の安西叶翔投手は、日本ハムから4位で指名された。日本ハムの5位指名、立正大の奈良間大己内野手も常葉大菊川出身。これで、同校からドラフトで指名された選手は2014年以来、5人目となった。

 

 ドラフト会議が始まって1時間20分ほどが経った時だった。安西投手の名前が読み上げられた。日本ハムから4位指名。会場に同席した両親と目を合わせて表情を崩した。名前の通り、夢が叶った瞬間だった。

 

「プロ野球選手になるのが夢でした。ソフトバンクの柳田悠岐選手のような日本を代表する打者と対戦したいです」

 

 身長186センチの長身からサイドスローで150キロの直球を投げ込む。ドラフトで指名されるにふさわしい素材だが、高校入学当初は目立つ存在ではなかった。直球の最速は130キロにも満たなかったという。

サイドスロー転向が飛躍のきっかけに

■安西投手は2年秋にサイドスロー転向で開花

 転機は2年生の秋。新チーム最初の公式戦となった秋季地区大会に1回戦で敗退した。次の公式戦となる春季大会まで長いトレーニング期間に突入。センバツ出場が叶わなかったことへのショックはあったが、安西投手にとっては結果的に才能が開花するターニングポイントとなった。

 

 フォームを見直すには十分な期間だった。腕の位置を下げたり、プレートを踏む位置を変えたり、自身の可能性を探った。そしてたどり着いたのが、現在のサイドスローに近いスリークウォーターの投球フォーム。冬場のトレーニングの成果もあって球速は一気に伸びた。

 

 安西投手に続く、日本ハムの5位指名は立正大の奈良間大己選手。常葉大菊川出身で、3年夏に甲子園でベスト16に入っている。当時の静岡大会では驚異の打率.818をマーク。1番打者としてチームを引っ張った。打力に加えて、50メートル5秒8の俊足も武器にしている。

 

■第1号は巨人から2位指名 2007年ドラ1はDeNAで現役

安西投手と奈良間内野手の2人が加わり、常葉大菊川出身でドラフト指名を受けた選手は5人となった。

 

第1号は1992年にドラフト2位で巨人に入団した門奈哲寛氏。常葉菊川(現・常葉大菊川)から日大に進学した。甲子園には出場していない。

 

巨人ではスクリューボールを武器にプロ1年目から33試合に登板し、防御率2.70と結果を残した。プロ初勝利も挙げている。しかし、翌年は6試合の登板にとどまり、防御率も4.70。3年目は5試合で防御率6.14で、その後は1軍登板なし。1999年オフに戦力外通告を受け、オランダのリーグでプレーした。

 

2人目は今も現役のDeNA田中健次朗投手。常葉菊川では2年秋からエースとなり、3年のセンバツで優勝、夏は準優勝している。2007年に横浜からドラフト1位で指名を受けた。

 

プロ3年目の9月11日の中日戦に中継ぎで1軍デビューを果たすと、4日後の阪神戦で初先発し初勝利を挙げた。その後は主に中継ぎとしてチームを支え、今シーズンは47試合で3勝0敗、防御率2.63の好成績を残した。

 

2016、17年には2年連続で60試合以上に登板するなど、通算263試合でマウンドに上がっている。2019年に肘の手術を受けて一時は育成選手になったが、見事に復活した。

 

■今ドラフトの指名は県勢4人 静岡高→明大主将は中日2位

もう1人は2014年に広島からドラフト5位で指名された桒原樹氏。2年生の時に春夏連続で甲子園出場を果たし、いずれの大会でも本塁打を放った。プロ6年目に1軍デビューしたが、出場は3試合、3打席に終わった。2021年は再び1軍でプレーする機会を得られず、オフに戦力外通告を受けた。

 

新たにプロ野球選手になる権利を得た安西投手と奈良間内野手。交流戦で田中投手との常葉大菊川対決が実現するか注目される。

 

20日のドラフト会議では常葉大菊川出身の2選手に加えて、静岡高で甲子園に出場し、明治大で主将を務める村松開人内野手が中日から2位指名を受けた。富士宮東高の大型遊撃手・勝又琉偉内野手はロッテから育成3位で指名された。

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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