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2022/10/26

テストの見直しは10歳で身に付く力 自然には覚えられない?大人が手本を

■静岡市の臨床心理士「見直しは大人が教える必要がある」

 ケアレスミスを防ぐ「見直し」は、テストで確実に得点する“王道”とも言える。見直しは大人にとって特別な作業ではないが、子どもは10歳頃にようやく身に付ける能力だという。しかも、自然に覚えるものではない。周りの大人がやり方を教えたり、見本を示したりする必要がある。

 

 返却されたテストを見て、多くの人は「分かっていたのに……見直しをしていれば」と後悔した経験があるだろう。自分が持っている知識を確実にテストの得点に反映させるには、「見直し」が有効な手段となる。

 

 大人になれば、提出する書類に間違いがないか、プレゼンの資料に不備がないかなど、確認するのは一般的だ。だが、見直しの能力は自然には身に付かないという。

 

静岡市で子どもの学習を支援する教室「まなびルーム ポラリス」を運営する臨床心理士の澳塩渚さんによると、見直しは10歳くらいから自分でできるようになり始め、15歳くらいで意識して行える場面が増える。ただし、知識や経験が求められるため、「テストの見直しは、もう一度問題を解き直すもの」などと大人が教える必要がある。

 

■見直しの能力向上はテスト以外にも効果

 日常生活でも、子どもに忘れ物がないかチェックする習慣を身に付けさせたいのであれば、持ち物とリストを照らし合わせて確認する方法を実際に大人が示す。何度か繰り返すうちに、子どもはやり方を覚えるという。澳塩さんは「子どもが見て学べるように、大人が手本を示すのも有効です」と話す。

 

 見直しの能力は、自分の行動や考え方を客観的に捉える能力につながる。例えば、「自分は早とちりしやすいタイプだから、すぐに取り掛からず、全体を把握してから始めよう」、「結論を出す前に、他の人の意見や口コミを参考にしよう」など、課題を分析してより良い方法を導き出す力へとつながる。

 

 ケアレスミスを防ぐために有効な「見直し」。能力を向上させて習慣化すれば、テストの得点につながるだけではなく、学習全般の理解度を向上させる効果も期待できる。

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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