2022/11/01
大相撲・熱海富士が新入幕 静岡県出身は戦後6人目、複数在位は16年ぶり 県勢最高位は?
■熱海富士が12場所で新入幕 朝青龍や栃東と並ぶスピード昇格
13日に初日を迎える大相撲九州場所の番付が発表され、静岡県熱海市出身の熱海富士(伊勢ケ浜部屋)が西前頭15枚目で新入幕を果たした。元横綱・朝青龍らに並ぶ歴代8位タイのスピード昇進で、静岡県出身力士としては戦後6人目の幕内力士となった。
熱海富士は先場所、十両東3枚目で8勝7敗と勝ち越した。日本相撲協会によると、初土俵から12場所での新入幕は、年6場所制となった1958年以降に初土俵を踏んだ力士の中で8位タイ。元横綱・朝青龍や、元大関・栃東や小錦ら角界の歴史に名を刻む力士と並ぶスピードとなった。
静岡県出身力士としては、戦後6人目の幕内力士となる。1人目は静岡市清水区出身の和錦。これまでの最高位は翠富士の西前頭1枚目となっている。
・和錦(かつにしき)
庵原郡由比町、現在の静岡市清水区出身。1963年に初土俵、1976年1月場所で新入幕。序の口から74場所を要するスロー昇進となった幕内では、5勝10敗と負け越し、1場所で十両に陥落。その後、再び幕内に戻ることはなかった。
・潮丸(うしおまる)
静岡市葵区出身。1994年初土俵、2002年9月場所で新入幕。最高位は前頭10枚目で、幕内通算成績は12場所で68勝92敗20休。あんこ型の体型を生かした突き押しが特徴だった。2009年5月場所で現役を退いた。
・片山(かたやま)
焼津市出身。2002年初土俵、2005年5月場所で新入幕。最高位は前頭13枚目。幕内通算成績は6場所で36勝54敗。足を真っ直ぐに高く上げる美しい四股で観客を魅了した。2009年1月場所で引退した。
・磋牙司(さがつかさ)
三島市出身。2004年初土俵、2010年3月場所で新入幕。最高位は前頭9枚目で、幕内通算成績は6場所で33勝50敗7休。身長166センチと小柄だったが、重心の低い押しや食い下がりが得意だった。2021年9月場所限りで引退した。
・翠富士(みどりふじ)
焼津市出身。2016年初土俵、新入幕となった2021年1月場所で9勝6敗と勝ち越した。9勝のうち5勝の決まり手が肩透かしで、静岡県出身力士としては初の三賞となる技能賞を受賞した。最高位は今年9月場所の西前頭筆頭。7勝8敗と負け越したため、11月場所は西前頭3枚目で迎える。
■戦後最高位は翠富士の西前頭筆頭 戦前は天竜の関脇
戦後の静岡県出身力士では翠富士の西前頭筆頭が最高位だが、歴代最高位は浜松市出身の天竜が関脇まで昇進している。天竜は1920年に初土俵を踏み、1932年1月場所で引退した。幕内の成績は14場所で98勝44敗11休1分、2度の準優勝。関脇は6場所で44勝21敗1分だった。
13日に初日を迎える九州場所では、熱海富士と翠富士、2人の力士が幕内で相撲を取る。県内出身の複数力士が幕内に在位するのは、2006年九州場所の潮丸と片山以来、16年ぶりとなる。
(SHIZUOKA Life編集部)