2022/11/01
エスパルスの命運はネーミングライツにも影響!? 最終節にJ1残留の望み
■「IAI」の契約は今季で満了 静岡市は11月14日まで新パートナー募集中
サッカーJ1は5日に最終節を迎える。現在17位とJ2降格圏に沈む清水エスパルスは、コンサドーレ札幌戦の勝利がJ1残留の絶対条件となる。エスパルスの本拠地がある静岡市はスタジアムのネーミングライツパートナーを募集しており、J2降格となれば宣伝効果が小さくなる懸念がある。
エスパルスは前節で鹿島アントラーズに0-1で敗れ、J2降格圏の17位に順位を落とした。すでに降格が決まっている最下位のジュビロ磐田とともに、静岡県の両クラブがJ1から姿を消す不安が現実味を帯びている。
エスパルスは残留するために、今シーズン最後の試合となる5日の札幌戦に勝利が不可欠。勝利した場合でも、他のチームの勝敗次第では降格が決まる。
サポーターにとっては、エスパルスが来シーズンもJ1で戦えるのか最終節は目が離せない一戦となる。一方、静岡市には別の懸念もある。
現在、エスパルスが本拠地としている「清水日本平運動公園競技場」は「IAIスタジアム日本平」の愛称が付いているが、この名前は来年2月28日までとなっている。スタジアムのような公共施設に企業名やブランド名を付ける「ネーミングライツ」の契約が満了するためだ。
■「IAI」は年間3100万円 「アウスタ」は9000万円
現在のスタジアム名は産業用ロボットの開発や販売などをしている「IAI」が静岡市と契約を結んだもので、2013年から愛称が使われている。静岡市によると、2018年3月1日から2023年2月28日まで5年間の契約を結んだ際、契約金額は年間約3100万円だった。
契約満了に伴い、静岡市は新たなネーミングライツパートナーを募集している。条件は年間3146万円以上で3年以上の契約。愛称の一部に「日本平」を残すことを原則としている。10月14日からの募集期間は、11月14日までとなっている。
ネーミングライツは、スタジアムの愛称を通じて企業名などを宣伝する目的がある。人の目に触れる機会が多いほど、宣伝効果は高い。クラブがJ1とJ2、どちらに所属する方が企業にとって魅力があるかは想像に難くない。
「清水日本平運動公園競技場」は「IAIスタジアム日本平」と命名される前、「アウトソーシングスタジアム日本平」、通称「アウスタ」と呼ばれていた。契約は2009年3月1日から2013年2月28日までの4年間で、契約金額は年間9000万円。世界規模の金融不安や経済の悪化を考慮し、初年度のみ4500万円だった。
■「さわやか」もネーミングライツ活用
静岡県内のネーミングライツで有名なのは、げんこつハンバーグの炭焼きレストラン「さわやか」。2019年10月1日から2024年9月30日まで、「菊川運動公園多目的広場」に「炭焼き さわやか 菊川グラウンド」と命名する契約を菊川市と結んでいる。契約金額は年間45万円と発表されている。
「さわやか」は袋井市総合体育館のネーミングライツでも袋井市と契約を結び、「さわやかアリーナ袋井」の愛称が付いている。契約は2030年3月31日までの11年間となっている。
(SHIZUOKA Life編集部)