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2022/11/15

11月は児童虐待防止推進月間 被害、発見時はすぐに連絡 静岡県の相談窓口一覧

静岡県では昨年度、心理的虐待の相談件数が占める割合は過去最高に

■静岡県の児童相談所への相談件数 昨年度は過去2番目の多さ

毎年11月は厚生労働省が「児童虐待防止推進月間」に定めている。静岡県では昨年度、児童虐待の相談対応件数が4年ぶりに前年から減少したものの、過去2番目に多い3717件と高い水準となっている。特に心理的虐待が占める割合が62.4%と高い。深刻な問題を未然に防ぐため、虐待の可能性が疑われるケースでも365日、24時間対応する専用窓口が設けられている。

 

力や立場が弱い子どもに大人が危害を加える。虐待は時も場所も理由も問わず、許される行為ではない。社会的な関心を喚起する目的で、厚労省は毎年11月を「児童虐待防止推進月間」としている。2000年11月に児童虐待防止法が施行されたためだ。

 

全国的な傾向と同様に静岡県も、児童相談所への虐待相談件数が増加傾向にある。児童虐待防止法が施行された2000年度は444件だったが、2020年度は3930件と8.9倍に膨らんだ。昨年度は3717件と前年から213件減ったとはいえ、過去2番目に多い。

 

相談件数が急増している背景には、児童虐待に対する社会的な関心や危機意識が高まり、相談や通報する人が増えていることも要因となっている。深刻な状況に陥る前に支援できる可能性が高まっている一方、虐待の被害に苦しむ子どもたちが溢れている事実は変わらない。

 

■全体の62.4%が「心理的虐待」 過去最も高い割合

虐待と聞くと、殴ったり蹴ったりする「身体的虐待」を思い浮かべるかもしれないが、県によると相談件数は「心理的虐待」が圧倒的に多い。身体的虐待の701件に対して、心理的虐待は2320件。その他の「性的虐待」と「ネグレクト」を含めた全体に占める割合は62.4%と、過去最も高くなった。

 

心理的虐待は大声で怒鳴って恐怖心を与えたり、自尊心を傷つける言葉を繰り返したりする行為で、「子どもの心を死なせる行為」とも表現される。傷やあざができる身体的虐待より、周囲が発見しにくい難しさがある。

 

虐待被害を受けた子どもの年齢を見ると、3歳未満が全体の21.3%、3歳以上の未就学児が22.7%、小学生が全体の35.0%となっている。小学生未満が44.0%、小学生以下は79.0%と、大人に抵抗するのが難しい年代の被害がいかに多いかが分かる。

 

静岡県では増加する児童虐待への対策を強化している。今年度は児童相談所に児童福祉司ら県の職員を計13人増員。県警は虐待への対応に特化した警察官の定数を5人増やした。全国的にも珍しいという。児童相談所と警察の連携を密にし、虐待の早期発見につなげる狙いがある。

 

■静岡県全域に365日、24時間対応の相談窓口 全国共通は「189」

県は子どもも対象にしたLINE相談を強化し、児童虐待専用電話では時間や曜日を問わず、365日、24時間対応している。近くの児童相談所につながる全国共通ダイヤルは「189(いちはやく)番」。県内の以下の児童相談所でも24時間対応している。(左が住所、右は電話番号)

 

【賀茂児童相談所】

下田市中531-1/0558-27-4199

 

【東部児童相談所】

沼津市高島本町1-3/055-922-4199

 

【富士児童相談所】

富士市本市場441-1/0545-62-4199

 

【中央児童相談所】

藤枝市瀬戸新屋362-1/054-644-4199

 

【西部児童相談所】

磐田市見付3599-4/0538-33-4199

 

【静岡市児童相談所】

静岡市葵区堤町914-417/054-275-2871

 

【浜松市児童相談所】

浜松市中区中央1-12-1-4階/053-457-2190

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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