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2022/11/18

他の選手への影響も不可避 ジュビロ磐田がFIFAの処分受けて加入内定選手の仮契約解除

FIFAから新規選手登録禁止の処分を受けたジュビロ磐田

■ジュビロ磐田加入内定の師岡選手は鹿島アントラーズへ

来シーズンのJ2降格が決まったジュビロ磐田は17日、加入が内定していた東京国際大のFW師岡柊生選手の仮契約を解除すると発表した。別の選手の契約をめぐり、国際サッカー連盟(FIFA)から制裁受け、新規選手の登録ができなくなったため。師岡選手は鹿島アントラーズへの加入が同日に発表されている。

 

ジュビロ磐田は師岡選手との仮契約解除に対し「クラブ事情により、このクラブでプレーすることを選んでくれた師岡選手をはじめ、ご家族の皆さま、サッカー選手としての成長に携わって来られた方々、ジュビロ磐田のファン・サポーター、全ての関係者の皆さまに心よりお詫び申し上げます」とコメントした。

 

一方、鹿島アントラーズは師岡選手の加入内定を発表した。ジュビロ磐田への加入が内定していたが、FIFAによる「新規選手の登録禁止処分」に伴い、11月17日までにジュビロ磐田との仮契約は解除されていると説明。師岡選手について「ゴールへの鋭い動き出しと嗅覚に優れたFW。豊富な運動量で攻守においてハードワークができ、安定したボディーバランスで前線の起点となる」と期待を寄せた。

 

師岡選手は自身のインスタグラムで「多くの支えがあり、ここまで来れたと思います。これからは、さらに鹿島アントラーズで成長し、活躍できるように頑張ります」とつづっている。

 

ジュビロ磐田は10月19日、FIFAから「新規選手の登録禁止処分」を受けている。対象は2023年第1期間(1月2日以降の第1金曜日から12週間)および第2登録期間(7月の第3金曜日から4週間)。この第1期間に加入予定だった師岡選手と契約できなくなった形だ。

 

■新規選手登録禁止の処分 ジュビロ側は決定不服で上訴

ジュビロ磐田によると、処分の理由は昨年加入したコロンビア出身のFWファビアン・ゴンザレス選手をめぐる契約。FIFAはゴンザレス選手が所属していたコロンビアのクラブを退団後、ジュビロ磐田と契約を結ぶ前にタイのクラブと交わした契約があったと明らかにした。

 

FIFAはゴンザレス選手に対して、賠償金約5万ドル(約700万円)をタイのクラブへ支払うように命じ、ジュビロ磐田にはゴンザレス選手と連帯して支払い義務を負うとした。さらに、ゴンザレス選手を4か月間の公式戦出場停止処分、ジュビロ磐田は今後2回の登録機関における新規選手登録の禁止処分を受けた。

 

新規選手登録の禁止はトップチームを含めて全年齢のカテゴリーが対象となっているが、ユースからトップチームの昇格などクラブ間の登録区分変更や、期限付き移籍選手の復帰は対象から外れている。ジュビロ磐田は「ゴンザレス選手がタイのクラブと契約を締結していた事実を認識しておらず、同選手を引き抜いたといった事実も存在しない」と決定を不服として、スポーツ仲裁裁判所へ上訴している。

 

■異例の重い処分 クラブと代理人の力関係変わり選手への影響懸念

スポーツ紙のサッカー担当記者は「これだけ重い処分は異例です」と話す。そして、こう続ける。

 

「ジュビロ側がゴンザレス選手側に対してタイのクラブとの契約を破棄するよう働きかけた証拠があれば問題ですが、他クラブとの交渉状況は大部分を知り得ません。クラブ側は基本的に選手や代理人を信頼して交渉する以外の方法はないので、別のクラブと契約している事実を知るのは難しいと思います」

 

また、スポーツ仲裁裁判所で明確な証拠がなくジュビロ磐田の訴えが認められなかった場合、他の選手への影響も避けられないと指摘する。スポーツ紙のサッカー担当記者は「リスクを避けたいクラブの足元を見て、知名度の高い代理人の力が増す可能性があります。実績の少ない代理人と契約している選手は移籍先の選択肢が減り、プレーする場を失うことも起こり得ます」と話す。

 

今シーズン最下位でJ2降格が決まったジュビロ。1年でのJ1復帰を目標に掲げているが、新戦力を獲得できない苦しい船出を強いられる。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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