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2022/11/21

静岡県8区のままで線引き変更 衆院小選挙区の「1票の格差」、「10増10減」って何?

1票の格差を是正する改正公職選挙法は参議院本会議で可決、成立

■当選する議員数が同じで有権者の数に違いがあると…

衆議員の小選挙区の数や区割りを見直す改正公職選挙法が成立した。「1票の格差」を是正する目的で、小選挙区は「10増10減」となる。「1票の格差」や「10増10減」はどんな意味で、何が変わるのか。静岡県では、県内を8つの選挙区に分けることは同じだが、一部の線引きが変更となる。

 

国政選挙で毎回取り上げられる「1票の格差」は、有権者は誰でも平等に1票を持っているにもかかわらず、地域によって1票の価値が変わってしまうことを意味する。例えば【A】と【B】のケースでは、1票が持つ意味が大きく異なる。

 

【A】有権者が100万人、当選する候補者が2人

【B】有権者が400万人、当選する候補者が2人

 

選挙で当選する議員の数はAもBも2人で同じなので、Aは「50万人に1人が当選」、Bは「200万人に1人が当選」となる。Aに住む有権者の1票が、Bの有権者より4倍の価値を持つ。

 

この1票の格差を2倍未満にする改正公職選挙法が、18日の参院本会議で可決、成立した。これにより、選挙区が増える地域と減る地域が出てくる。格差を小さくするために、これまで別々だった選挙区を併せて有権者の数を増やしたり、有権者が多すぎる選挙区を分けたりするためだ。

 

例えば東京の選挙区数は今までの25から30になるなど、人口密度が高い地域は選挙区が増加する傾向にある。一方、福島県は5から4、山口県は4から3に減少する。全国で選挙区が増える自治体は10、減るのは10となるため「10増10減」と表現される。

 

■静岡県は線引き変更 富士市以外は分割解消へ

選挙区の数はそのままでも、区割りが変わる自治体もある。静岡県は、その1つ。小選挙区は県内8つで変わらないが、4区と5区に分かれる富士市を除いて全てのエリアで分割が解消される。一部が4区となっている静岡市葵区と駿河区は、公選法改正後は全て1区に移る。

 

区割りが変更になるのは静岡県を含み、全国25都道府県の140選挙区に及ぶ。1票の格差は現在の2.096倍から、1.999倍に縮小される。早ければ12月28日に改正法が施行される。

 

静岡県の区割りは以下のように変更となる。

 

1区】

静岡市葵区、駿河区

 

2区】

島田市、焼津市、藤枝市、牧之原市、榛原郡

 

3区】

磐田市、掛川市、袋井市、御前崎市、菊川市、周智郡

 

4区】

静岡市清水区、富士宮市、富士市(木島、岩淵、中之郷、北松野、南松野、中野台12丁目)

 

5区】

富士市(4区以外のエリア)、三島市、御殿場市、裾野市、田方郡、駿東郡小山町

 

6区】

駿東郡清水町・長泉町、沼津市、熱海市、伊東市、下田市、伊豆市、伊豆の国市、賀茂郡

 

7区】

浜松市西区、北区、浜北区、天竜区、湖西市

 

8区】

浜松市中区、東区、南区

 

SHIZUOKA Life編集部)

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