2022/12/10
花粉症発症率が全国2位の静岡県 来春のスギ花粉は「多い」予想 過去10年平均の1.6倍
■静岡県内の花粉は4年ぶりに「多い」見込み
花粉症に悩む静岡県民にとって、来年は春を迎える楽しみが半減するかもしれない。スギ花粉の飛散予想が発表され、来春は4年ぶりに「多い」と見込みとなった。過去10年の平均と比べると、1.6倍の花粉が飛散するとみられている。
静岡県農林技術研究所森林・林業研究センターの調査によると、来春のスギ花粉の飛散量は、5段階のうち「非常に多い」に次ぐ上から2番目の「多い」となった。
調査は11月下旬の1週間、静岡県内にあるスギ林20カ所で雄花の付き具合を双眼鏡などで観察する。過去10年間の花粉発生度合いの平均を100として、そのシーズンの指数を算出する。今回は160だった。
スギは雄花と雌花を別々に着け、雄花が花粉の発生源となる。1つの雄花には約40万個の花粉が入っており、7月頃から形成し始める。そして、翌年の2~3月に花粉を飛散させるという。静岡県では例年、2月中旬頃に花粉シーズンが始まり、2月下旬から3月中旬にピークを迎える。
今年3月に実施したウェザーニューズの調査によると、回答した8500人余りのうち48%が症状を自覚している。静岡県は全国的に見ても花粉の飛散量が特に多い地域と言われ、花粉症の症状がある人の割合も高い。
■静岡県は山梨県に次いで全国2位 58%が花粉症の自覚症状
都道府県別では山梨県の62.3%に続き、静岡県は58.6%で2位だった。トップ5は、埼玉県の55.7%、神奈川県の55.5%、東京都の53.6%となっている。一方、最も割合が低いのは鳥取県の20.5%で、九州も全体的に症状を自覚している人が少ない。
ウェザーニューズの花粉観測機のデータでは、神奈川県や東京都の飛散量はそれほど多くないが、上位3県は飛散量が多い。一方、東北北部も花粉の飛散が多いにもかかわらず、青森、岩手、秋田はいずれも花粉症の発症率は30%台。飛散量と発症率は必ずしも一致しなかった。
本格的な冬の到来を前に来春の話は少し早いかもしれないが、花粉症の静岡県民は準備が必要になりそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)