2022/12/16
「誠に失礼」「不親切」 リニア工事めぐるJR東海の回答に静岡県知事が不満爆発
■川勝知事が重要施設の工事進捗率などをJR東海に質問
納得する回答を得らなかった。静岡県の川勝平太知事は16日、定例会見を開き、リニア中央新幹線工事に関してJR東海に送った質問の回答が届いたと明らかにした。しかし、その内容に対し「誠に失礼」と不満をあらわにした。
リニア中央新幹線工事による水問題をめぐり、静岡県とJR東海は平行線をたどっている。JR東海は2027年に東京-名古屋間の開業を目指しているが、静岡工区のみ工事を開始できていない。川勝知事が工事による大井川への水資源の問題が解決できていないとしているためだ。
これまでも度々、認識や意見が対立してきたJR東海と川勝知事。今回、川勝知事が不満をあらわにしたのは、JR東海・金子慎社長に送った質問書への回答だった。
「誠に失礼といいますか、不親切な回答。一驚しております」
川勝知事は11月25日付で金子社長に質問書を送っている。その中で、関東車両基地、中部総合車両基地や各変電所が、2027年の開業を目指す上で特に重要な施設になるとして、課題解決に向けた取り組みや工事進捗率、用地取得率の回答を求めている。
■JR東海から約3週間後に回答 川勝知事「全く満足とは言えない」
JR東海側からは、約3週間経った12月14日に回答が届いたという。川勝知事は回答の内容について、こう話した。
「全く満足とは言えない回答でした。ホームページを見なさいというだけの中身。ホームページを見ると、進捗状況などについては別紙となっていて、別紙はたった1ページで、品川-名古屋間の用地取得率や発生土活用先の確定状況の数字が示してあるだけでした。関東の車両基地や変電所をイメージして質問しましたが、その回答が一切ありませんでした」
川勝知事は今までにも、質問に対するJR東海の回答や情報開示を疑問視してきた。今回も満足のいく答えを得られず「私たちはJR東海との対話をこれまで真摯かつ速やかに行い、本県が持つ情報を全て開示してきました」とJR側をけん制。今後、必要とする情報の開示を粘り強く求めていくという。
(SHIZUOKA Life編集部)