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2022/12/22

年明けも旅行がお得 静岡県では独自の割引き事業も 県民は歓迎と疑問が交錯

静岡県内外から人気の高い観光地・熱海

■全国旅行支援は来年1月10日から再開 割引き率は縮小

静岡県は今月27日までとしていた全国旅行支援「今こそ しずおか 元気旅」を来年1月10日から再開すると発表した。さらに、県は食をテーマにした県独自の観光促進事業も予定している。旅行好きの県民は歓迎する一方、税金を使った施策が観光業に集中しすぎているといった疑問の声も上がっている。

 

全国旅行支援は政府の財政支援を受けて、それぞれの都道府県が実施している観光需要喚起策で、10月11日にスタートした。期間は今月27日までと残りわずかとなっていたが、静岡県は来年1月10日から3月31日まで再開すると発表した。

 

来年1月からの旅行支援も利用方法は同じ。ただ、割引率は現在の4割から2割へ縮小される。これにより、交通費付きの宿泊旅行は割引きの上限が8000円(1人、1泊あたり)から5000円。宿泊や日帰り旅行の割引は上限が5000円から3000円に減る。

 

1泊に付き休日は1000円、平日は3000円付与されている地域クーポンは、休日が1000円のままで平日は2000円に減額される。旅行支援の期間でも、すでに予約済みのものは割引き対象外で、予算の上限に達した時点で事業は終了する。

 

■静岡県独自の割引も1月から予定 全国旅行支援との併用可能

この旅行支援に加えて、静岡県では独自の観光促進事業も予定している。食をテーマにした県内の宿泊や日帰り体験の料金を割引きする内容で、来年1月に開始する。県議会12月定例会で、川勝平太知事が明らかにした。

 

県によると、事業は旅行の閑散期となる1月中旬から2月末を想定している。全国旅行支援の割引きと併用も可能にする方針だという。

 

国や県による観光事業は、長期化する新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けたホテルや旅館などを支援する目的がある。観光事業者や旅行好きの人には歓迎されている。旅行で人の動きが活発になれば、飲食店なども恩恵を受ける可能性がある。

 

■「また観光業」、「感染対策呼び掛けているのに」 疑問抱く県民も

一方、県民からは疑問の声も上がっている。過去には「Go To トラベル」でも観光業の支援策が講じられただけに「新型コロナで経営が悪化している業種は他にもある。特定の業種に支援が偏るのは納得できない」、「また観光業だけ手厚い支援」といった意見がある。

 

また、新型コロナの新規感染者が増加傾向にあり、政府も静岡県も感染対策の徹底を呼び掛けているため、県民の中には「感染への注意を促しておきながら、移動を助長するのは矛盾している」、「旅行を促進したいのであれば、コロナを騒ぎ立てないでほしい」などと考える人もいる。

 

ウィズコロナを打ち出している政府も県も、経済を動かす政策が求められる。ただ、税金を投じている以上、なぜ必要なのかの説明や講じた政策の検証が不十分になれば、国民や県民には不信感が残る。

 

SHIZUOKA Life編集部)

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