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2022/12/30

餃子やシュウマイ 東西の食が融合する静岡県は挽肉の“聖地” 注目は生ハンバーグ

しずてつストアの「和牛入り生ハンバーグ」

■ハンバーグ消費額 静岡県の政令指定都市はトップ10入り

静岡県は東西の食が融合する。餃子やシュウマイといった挽肉の食文化が根差し、ハンバーグも県民食となっている。静岡といえば、げんこつハンバーグの炭焼きレストラン「さわやか」が有名だが、最近は県内で販売されている生ハンバーグの品質が上がり、人気が高まっているという。

 

日本の中でハンバーグに使う金額が多いのは、どの地域なのか。2人以上の世帯を対象にした総務省の調査によると、全国の県庁所在地と政令指定都市のうち、年間で最も購入額が多いのは那覇市で2398円だった。

 

静岡県内では浜松市が2179円で4位、静岡市は1921円で9位。かつて1位になったこともある静岡市は近年、順位を落としているものの、両市ともにトップ10に入っている。

 

実は、静岡県は挽肉の食文化が浸透している。浜松餃子は全国的にも有名だが、静岡県はシュウマイの購入額も多い。そして、挽肉料理の代表と言えるハンバーグも県民に愛されている。静岡県の挽肉文化について、「一般社団法人 日本ハンバーグ協会」の理事長を務めるバーグマン田形さんは、こう分析する。

 

「食文化の東西融合が大きいと考えています。肉は日本の東が豚肉、ブランド牛の多い西は牛肉が盛んです。中間にある静岡県は豚肉と牛肉どちらも楽しんでいるので、合挽肉が親しまれて、消費が多くなっていると思います」

ハンバーグの専門家として知られるバーグマン田形さん

■静岡では「ごちそう」 今熱いのは生ハンバーグ

また、静岡にはハンバーグが「ごちそう」という考え方もあるという。全国各地からファンが訪れるチェーン店「げんこつハンバーグの炭火焼レストランさわやか」が有名だが、バーグマン田形さんは他にも県内にはハンバーグがおいしい店は多いと話す。

 

「関西や九州のようにブランド牛が盛んな地域に行くと、肉料理のごちそうというとステーキやしゃぶしゃぶのイメージが強く、ハンバーグは子どもの料理という意識があります。静岡では、ハンバーグが大人も子どもも楽しめるものと捉えられています」

 

静岡県では、「生ハンバーグ」も特徴になっている。生ハンバーグは成型された状態で販売されているハンバーグで、自宅で焼き上げれば食べられる。

 

県内では、しずてつストアや遠鉄ストアを中心としたローカルスーパーなどが力を入れている。バーグマン田形さんは「静岡の生ハンバーグは質が高くて、種類も豊富です。最近は高級感のある牛肉100%の商品が売れています」と話す。

 

冒頭で触れたハンバーグの年間の購入額は、スーパーなどで購入したチルドや生ハンバーグが対象で、冷凍や外食は含まれていない。「さわやか」に代表される人気店の存在。さらに、静岡の生ハンバーグ熱が高まれば、来年度以降は順位の上昇が期待できる。公になっているデータ以上に静岡県が持つハンバーグ文化のポテンシャルは高い。

 

(鈴木 梨沙/Risa Suzuki

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