2023/01/05
静岡県の女性社長比率6.9%で全国41位 業種は不動産がトップ 建設は33年連続最下位
■静岡県は全国平均以下 前年から0.2ポイント増
信用調査会社「帝国データバンク」が女性社長に関する調査結果を公表し、静岡県の女性社長が占める割合は6.9%で全国41位だった。県内の市区郡別では、静岡市葵区が9.2%でトップ。業種別では不動産が1位で、建設は33年連続最下位となった。
帝国データバンクによる2022年の調査によると、全国で女性社長の比率が最も高かったのは沖縄県と徳島県で11.6%となった。沖縄は10年連続1位、徳島は18年ぶりにトップに並んだ。
静岡県は6.9%と前年から0.2ポイント上昇した。増加傾向にあるものの依然として水準が低く、全国平均の8.2%を下回った。都道府県別では41位となっている。
県内の市区郡別では静岡市葵区の女性社長率が最も高い9.2%。次いで熱海市の8.8%、賀茂郡の8.7%だった。7.0%で15位だった周智郡は、前年から2.5ポイントと最も伸び率が高かった。一方、最も低かったのは伊豆の国市の3.4%。浜松市南区の3.8%、掛川市の3.9%と続いた。
■県内トップ3は静岡市葵区、熱海市、賀茂郡
【女子社長比率の高い市区郡】※カッコ内は前年比
①静岡市葵区9.2%(+0.7)
②熱海市8.8%(+1.5)
③賀茂郡8.7%(+1.4)
④伊東市8.6%(+0.2)
⑤伊豆市7.5%(+1.0)
【女子社長比率の低い市区郡】
①伊豆の国市3.4%(-0.1)
②浜松市南区4.0%(+0.2)
③掛川市4.5%(+0.6)
④湖西市4.6%(-0.3)
⑤牧之原市4.7%(+1.3)
■業種は不動産、サービス、小売が上位 建設が最下位
業種別でみると、不動産が17.1%と最も高かった。以下、サービス11.0%、小売9.2%と続いた。中でも美容、化粧品小売、洋服小売の比率が高かった。「B to C」の業種で女性社長の比率が高くなる傾向にある。建設は3.4%と33年連続で最も低かった。
【女子社長比率の高い業種】※カッコ内は前年比
①不動産17.1%(+0.9)
②サービス11.0%(+0.1)
③小売9.2%(+0.1)
【女子社長比率の低い業種】
①建設3.4%(+0.2)
②製造4.8%(+0.2)
③運輸・通信6.2%(+0.2)
■静岡県の傾向は今後も続く見通し 「環境づくりが第一歩」
日本は他の先進国と比較して、女性経営者や管理職の割合が低い。政府は2022年4月に改正女性活躍推進法を施行するなど、女性が能力を発揮する場を積極的に創出しようとしている。
帝国データバンクの調査からは、女性社長は増加傾向にあるが、劇的な変化はみられない。また、静岡県は他の都道府県と比べてスピード感を欠いている状況が数字に表れた。帝国データバンクは今回の調査結果について、次のように分析している。
「女性、シニア、外国人など、近年注目される多様性は組織の強靭化には欠かせない。過去の研究では、性別多様性が高い方がより高い業績を上げる傾向がみられるなど、女性活躍による企業へのプラスの効果が様々に明らかになっている」
静岡県の傾向は今後も続くと予想し「意思決定者ポストへ登用できる人材を育成するためにも、従前から叫ばれている子育て支援の充実や家事の負担軽減など、女性が活躍できる環境づくりが第一歩となるだろう」とまとめている。今回の調査は全国119万社を対象に調査、分析した。
(SHIZUOKA Life編集部)